女優のジェニファー・ロペスや野球解説者のアレックス・ロドリゲスが出資したことでも知られるレディ・トゥ・ドリンク・コーヒー(缶入りなどのそのまま飲めるコーヒー飲料)ブランド「スーパーコーヒー」の製造元キトゥライフは、8月の資金調達ラウンドを経て、その評価額を5億ドルと倍増させている。キトゥライフの創業者である3兄弟は、2019年版「30アンダー30」に選ばれている。
10月に入り、小規模店舗からなるコーヒーチェーンのブランク・ストリート(Blank Street)も、シリーズAラウンドで2500万ドルを調達した。しかも同社は、数カ月前に700万ドルのシードラウンドを完了させたばかりだった。ピッチブックによれば、同社の調達後の評価額は9800万ドルを超えたという。
コメティアが進出したカプセル式コーヒーは、人気の「Kカップ」シリーズを擁するキューリグが長年にわたって圧倒的な強さを発揮してきた分野だ。2015年、エンジニアのチームと共に、自宅の屋根裏部屋でクレジットカード1枚だけを頼りにコメティアを創業したロバーツは、競合製品よりも高めの値段設定ながら、同社独自の製法と味を武器に、冷凍コーヒーポッドを消費者に売り込みたいと考えている。
「既存のカプセルから抽出されるのは、本来のコーヒーとは似て非なるものだ」と、ロバーツは主張する。「複雑に広がる、独特な風味は決して得られない。当社のコーヒーは、焙煎されたばかりのタイミングで、キッチンのカウンターに設置可能などんなマシンと比べてもはるかに複雑なシステムで抽出されている」
コメティアは今回のラウンドで得た資金を活用して、マサチューセッツ州グロスターに、広さ7万平方フィート(約6500平方メートル)の本社を完成させる予定だ。この本社建設地は、ロバーツにとって特に大きな意味を持つ。というのもここはかつて、海産物を急速冷凍する技術を開発した発明家、クラレンス・バーズアイ(Clarence Birdseye)の自宅があった場所だからだ。
ロバーツはまた、コロナ禍のなかで100人を雇い入れ、現在は120人となった従業員をさらに増やすことも計画中だ。「現時点で、アップルやテスラ、パランティア、ウェイフェアといった企業出身の人材を採用している」とロバーツは述べる。「主要なテック系企業や従業員が、コーヒー業界に流入しているというのが我々の実感だ。それは彼らが、旧来のやり方では行き詰まっていた業界を変えるチャンスを目の当たりにしているからだ」