同じく地域を盛り上げたのは、協賛社賞「LIFULL賞」とのダブル受賞を果たした琴浦町(鳥取県)の吉田祐介だ。
琴浦町の吉田祐介
地元の人しか知らない古いキャンプ場の魅力に気づき、運営者と二人三脚でキャンプ場の改革に取り組むことで、来場者数と売上を3倍に伸ばした。世の中のトレンドを把握しながら、限られた予算で地域資源を磨き上げることに成功した。
琴浦町の吉田がリニューアルしたキャンプ場は、「BE-PAL」誌の「ほんとうに気持ちいいキャンプ場100」にも選出された
宮代町(埼玉県)の伊藤遼平は、スポーツの力を使って地域を盛り上げた。
元々、FC東京に勤めていた伊藤は、「アスリートに会えない田舎まち」にスポーツの力で夢や感動を届けようと、「埼玉上尾メディックス」や「埼玉西武ライオンズ・レディース」と関係を構築。プロチームと連携して、こどもたちがプロスポーツ選手と触れ合うイベントを開催した。ホームタウンではない地域でのイベント開催は難易度が高く、だからこそ伊藤の取り組みには価値があった。
宮代町の伊藤は、スポーツチームのコーチスキルを活かしてボール遊び講座も開催している
目立たない仕事でも奮闘する公務員たち
地域を盛り上げる公務員が存在する一方で、日の当たらない地味な領域で成果を上げる公務員も存在する。コロナ禍の対応において、ICTの力を活かして成果を上げたのは加古川市(兵庫県)の多田功だ。
加古川市の多田功さん
多田は、特別定額給付金の支給に際して、マイナンバーカードを必要としない市独自のオンライン申請サイトを構築。また、ワクチン接種においては予約が殺到するのを避けるため、先着ではなく抽選方式のシステムを独自に企画・開発した。この取り組みは企業からも評価され、「NECソリューションイノベータ賞」も受賞した。
取手市(茨城県)は「議会改革度調査2020」で全国第1位を獲得したが、岩﨑弘宜はその立役者だ。
取手市の岩﨑弘宜さん
全国から視察がひっきりなしに来ても、議会改革のノウハウを丁寧に伝え、日本各地の議会のレベルアップに貢献している。その人望とスキルから岩﨑ファンも多く、視察した議員などから記念写真も求められるほどだ。「電通CP塾賞」「VOTE FOR賞」とトリプル受賞した。
北本市(埼玉県)の林博司は、住民にとって難解な市の懐事情をわかりやすく伝え、ホームページの閲覧数を7倍に伸ばし、全国広報コンクール入賞も果たした。
北本市の林博司さん
「自分の頑張りが、こんなにもまちや人のためになる仕事は他にない」が、林の口癖だ。公務員という仕事に誇りを持ち、与えられた各部署で成果を出し続けている。