姿勢も緊張状態も可視化する。JINSがウェアラブル市場に見る商機

「JINS MEME」のキービジュアル。「サカナクション」の⼭⼝⼀郎を起用した


新型の主な機能や特徴は?


新「JINS MEME」の主な機能は、センサーが検知した生体データによる「BODY(カラダ)」「MIND(ココロ)」「BRAIN(集中)」の状態の計測。具体的には、メガネと連動したアプリ上で「姿勢・歩行」「没入度・安定度・バイタリティ」「時間別集中度・集中時間」などを数値や画像で可視化することができる。

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アプリ内の「BODY」「MIND」「BRAIN」の各ページ。それぞれ数値や画像で可視化できるようになっている

そして、その結果に合わせたメンテナンス方法も提案する。「BODY」では、ヨガやストレッチなど20秒〜3分のプログラムが約30種類、「MIND」では1〜3分の瞑想コンテンツが18種類用意されている。

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ストレッチや瞑想コンテンツで心身をメンテンスできる

従来モデル同様、ランニング時のログがとれる「RUN」、運転中の眠気を測定できる「DRIVE」などの機能も搭載している。

ハードウェアの面で従来型から最も進化したのは、メカパーツの小型化。メカパーツとは、「3点式眼電位センサー」「6軸モーションセンサー(3軸加速度センサー、3軸ジャイロセンサー)」「バッテリー」を指すが、元々分散していた3点をノーズパッド周りの「JINS MEME CORE(コア)」に集約した。

これによってデザインも広がり、旧型の2種類から12種類(メガネタイプ8種類、サングラスタイプ4種類)と大幅にバリエーションが増えた。

なお、同社が18人のモニターで新「JINS MEME」の1週間使用テストを行ったところ、90%近くが満足する結果に。半数以上が「自分の身体の状態は、思いの外悪かったことを意識した」と答えたという。

エンタメ分野にも進出


田中は今回、「テック好きの人だけでなく、より多くの人の手が届くように」と、ビジネスモデルも一新。同社では初めて、アプリ課金型のサブスクサービスを導入した。

デバイスの本体価格は1万9800円とし、アプリの利用料で収益をカバーする。利用料は初年度無料で1年後より月額500円(年間5000円)に設定した。

なお、新製品に合わせて「JINS MEME LAB」を立ち上げ、エンタメ分野などにも進出する。第一弾として、11月下旬には、「JINS MEME」着⽤者の動きを反映したアバター動画を簡単に作ることができる、アバターコントロールアプリをローンチする。

また、「JINS MEME」で取得される頭の動きやまばたきを活⽤して、PCやスマートフォンなどのデバイスを操作する研究開発も進めている。⼿動でPCやスマホの操作ができない人が、特別な専⽤装置を使わずに、頭の動きや瞬きだけで⽂字⼊⼒ができるようになることを目指す。

田中は「近年はよりいっそう、サステナブルな社会に対する企業の責任が問われる世の中になりました。企業は、社会生活を持続可能にする役割を担っているのです。JINSも、持続可能な社会へ貢献していきたい」と話した。

新「JINS MEME」は10⽉14⽇からJINS⼀部店舗(100 店舗)とオンラインショップ、Amazonで販売する。

文=田中友梨

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