辞めたい理由と、辞めるべきでない理由を書き出す
なぜ自分が仕事を辞めようとしているのか、理由を明確にする必要がある。退職は思いつきで実行するようなものではなく、考え抜いた末に決断すべきだ。1~2週間かけて、退職したい理由と、辞めずに残るべき理由を書き出そう。深く考えすぎず、頭に浮かんだことをメモしていく。
1週間の終わりに、書き出したリストを見返して、何度も出てきたことや共通点を洗い出し、それぞれの良い点と悪い点を検討すること。誰かにアドバイスを求めるのも役に立つ。口に出して読み上げてみるだけでも、すべきことを明確にできることもある。
辞めた後にしたいことを明確にする
退職後に何がしたいかが分からないまま辞めるべきではない。特定の分野で新たなキャリアを始める、というような具体的な目的でもよいし、もっとフレキシブルに働きたいという漠然とした希望でもよい。重要なのは、自分の希望を特定し、それに基づいて転職活動を行うことだ。デジタル・ノマドになりたいのなら、完全な遠隔勤務ができる職を探す。誰かの下で働くのに疲れたなら、自分でビジネスを立ち上げよう。今の職務には満足しているが、職場環境が気に入らないだけかもしれない。理由はどうあれ、自分の希望を明確にすることが重要だ。
社内での異動を検討する
新たな仕事を見つけるのに、必ずしも今の会社を辞める必要はない。社内の別部署に、自分が知らなかった空きがあることも多い。まず上司に相談して、可能性を探る。自分の具体的な希望を伝えて、最適な形でサポートをしてもらえるようにしよう。今の職務に行き詰まりを感じている時は、長期的なプロジェクトに参加させてもらったり、チーム替えをしたりして、違う役職の経験を得られるかもしれない。柔軟な働き方をしたいのなら、在宅勤務が可能な職務への異動を願い出てみる。何事も聞いてみないと分からないため、思い込みだけで決断すべきではない。
家計を見直す
家計をよく見直さないまま退職してはいけない。次の仕事を決めずに辞めると、経済的な影響は大きい。次の仕事がいつ見つかるかは分からない。蓄えが尽きてしまうような状況は避けたいところだ。緊急用の貯金に手を付けずに済ませるためには、少なくとも3〜6か月分の収入にあたる金額をためておこう。今の職場がよほどブラックでないかぎり、新たな仕事が見つかってから退職するのが最善だ。
最も重要なこととして、今「大量退職」が起きているからというだけで今の仕事を辞めてはいけない。多くの人が転職活動を始めている一方で、現在の職に留まる人も同じくらいいるのだ。