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SDGsを活用した「発信型三方良し」ビジネスを探る


いち早く取り組んだのは「エリクソン」


さて、ここからは具体的な企業の取り組みを見ていこう。

世界を見ると、2015年9月にSDGsが採択された直後から、多くの企業がSDGsの達成に向けて取り組んできた。いち早くSDGsに対応してきた事例として、スウェーデンの大手通信機器メーカー「エリクソン」をご紹介したい。

同社が2016年3月に発表した持続可能性レポート『Ericsson Sustainability and Corporate Responsibility Report 2015』は、筆者にとっては衝撃的だった。SDGsの17のゴールの責任者を「アンバサダー」としてそれぞれ定めているのだ。SDGs が採択されてからわずか半年後のことで、日本の1、2周先を行っていた。世界企業の国際的ルールへの対応はいかにも速い。まさに「エリクソン・ショック」だった。

ちなみに、私は当時、役員をしていた伊藤園で直ちに同様の責任体制をひこうと思ったが、1年かかってしまった。エリクソン並みに早急に対応できていたのは、日本企業では住友化学などに限られた会社だけ。

このようにSDGsを経営に取り入れる場合、まずSDGsのゴールを「ビジネスチャンスになるゴール」と、「リスク回避になるゴール」とで選別し、自社で重点的に取り組むゴールをピックアップする作業が必要だ。

エリクソンの場合、SDGsの17のゴールすべてについて社内の責任体制を示しているが、いくつかの「重点項目」を定めているグローバル企業もある。例えばユニリーバは、ゴール17の「パートナーシップ」をフラッグシップとして、すべての関係者に協働を呼びかけている。また、コカ・コーラは、ゴール6「水」とゴール5「ジェンダー平等」を重点項目にした。

急加速する「トヨタ」や「日立製作所」


日本で先陣を切って取り組んだのが、先ほども触れた住友化学。SDGsのゴールごとに責任役員を定めて社内でSDGsを推進した。2017年の政府の「ジャパンSDGs アワード」第1回では外務大臣賞を受賞している。

世界的に見ると出遅れ気味であった日本企業だが、ここに来て取り組みが加速している。例えばトヨタ自動車だ。同社は2年前から急変貌を遂げている。

同社は2019年6月に「サステナビリティ推進室」を設置すると、9月には「サステナビリティ・データ・ブック2019」を発行。SDGsの17のゴールへのアプローチをすべて掲載した。それも、これらのゴールに紐づいた「169のターゲット(具体的目標)」のレベルまで落とし込んでいる。さらに、2020年1月にはCSO(Chief Sustainability Officer:最高サステナビリティ責任者)を設置した。

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Getty Images

こうした下準備をしたうえで、2020年3月には豊田章男社長が「SDGsに本気で取り組む」と宣言。その後、SDGsへの取り組みをまとめたウェブサイトを立ち上げ、SDGsのゴールに、同社が大事にしている「感動(ワクドキ)」を加えて発信している。

文=笹谷秀光

トヨタ自動車エリクソン日立製作所サステナブル
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