スタスコによると、開発した機器がウイルスを低減させる仕組みは2通り考えられる。1つめは、光がウイルスに直接作用して、その複製を防いでいるというもの。2つめは、ある周波数の光が一酸化窒素の生成を誘発しているというもので、これは同社のデータから示唆されているという。一酸化窒素は、体の免疫システムが感染症との闘いを含め、さまざまな目的に用いているものだ。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のデイビー・スミス感染症・国際公衆衛生学部長は、後者について「ありそうなメカニズムであり、おそらく上気道のウイルスを除去するのに役立つのだろう。その結果、患者は快方に向かうのではないか」とコメントしている。
スミスはエミットバイオの関係者ではないが、同社が発表したデータの評価を行った。「このデータは、より規模の大きい研究に進むのに十分なほど有望なものだと思う」とも述べている。
エミットバイオは現在、米食品医薬品局(FDA)と協力してこの機器の緊急使用許可を探っているが、スタスコによると、その取得には一段のデータを提供する必要があるという。そのため同社は最近、軽度から中等度の新型コロナ患者120人を対象に、以前の結果を再現できるかを調べる新たな臨床試験に入っている。