今回の買収の狙いは、オープンで相互接続した「メタバース」の構築にあるという。メタバースとは、インターネット上に構築される仮想の三次元空間のことだ。
「エピックゲームズとSketchfabが一緒になることにより、3D、AR、VRコンテンツをより利用しやすくし、クリエーターのエコシステムを拡大させることが可能になる。これらは、オープンで相互接続したメタバースを構築する上で極めて重要なことだ」とエピックゲームズは7月21日に公表した声明の中で述べた。
ゲーム業界における3Dコンテンツの普及が急速に進む中、今回の買収は大きな一歩だと言える。2D画面でプレイするゲームと、VRやARのヘッドセットを使ったゲームの両方で3Dオブジェクトに対するニーズが高まっているが、SketchfabはAR・VRコンテンツのマーケットプレイスとして世界最大規模を誇る。
「Sketchfabのチームは、ウェブにおける3Dコンテンツの世界を切り開き、誰でもコンテンツを編集したり公開することを可能にした。リアルタイム3D技術の普及が進む中、ウェブベースのソリューションに対する需要は高まるばかりだ。我々はSketchfabのチームと一緒により多くのクリエーターを支援できることに興奮している」とエピックゲームズ傘下のゲームエンジンUnreal Engineでバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるMarc Petitは声明で述べた。
クリエーターは、Sketchfab上で実世界の物体をスキャンした3Dコンテンツを販売することができる。同社の創業者兼CEOのAlban Denoyelは2020年12月に行われたインタビューで、「月間1000ドル以上を稼ぐクリエーターもいる」と述べている。また、あるクリエーターはテスラから、同社の全モデルを3Dスキャンするよう依頼されたという。
800万人が使うプラットホーム
Sketchfabには、400万を超える3Dコンテンツが登録されている。同社の公式サイトによると、ユーザー数は500万人を超え、月間ビジター数は800万人に達するという。