台湾のDigitimesは6月30日、アップルが5Gコンポーネントのサプライヤー向けの発注を増加させていると報じた。このニュースを引用したPatentlyAppleのJack Purcher記者は次のように書いている。
「アップルは2021年の新型iPhoneのラインナップのうち、5Gのミリ波対応デバイスの比率を60%にまで急上昇させる見通しで、その台数は9000万台に及ぶと推定されている。ミリ波のiPhoneには4つのAiPモジュールが必要となり、AiP基板の需要も大幅に増加する見通しだ」
5G通信においては、ミリ波とサブ6(6GHz未満の周波数)の2種類の電波が用いられるが、ミリ波は高速のデータ転送が可能で遅延も少ないが、電波の届くエリアが狭く、障害物に弱いという弱点がある。一方で、サブ6は電波が届きやすいものの、通信速度はミリ波を下回っている。
昨年のiPhone 12シリーズのうち、ミリ波の5Gに対応するのは米国向けモデルのみだった。しかし、著名アナリストのミンチー・クオは、今年の最新モデルのミリ波対応端末の販売地域が、カナダ、日本、オーストラリア、ヨーロッパの主要国に拡大されると予想している。
また、アップルは、ミリ波対応のiPhone 13の製造台数を、iPhone 12の約2倍に伸ばすと予想されている。アップルは毎年、iPhoneの最新モデルを9月の第2週にローンチしているが、2021年もこのスケジュールになるかどうかは現時点では不明だ。