カリフォルニアを拠点とし、じゃがいもをベースとしたナチョチーズ代替商品を提供するロカ・フード(LOCA Food)は先日、米シディ・キャピタル(Siddhi Capital)が率いたシードラウンドで資金(金額は未公表)を調達した。
またこの発表が行われる少し前には、植物由来の調味料を製造するカナダ企業マザー・ロー(Mother Raw)がシリーズAのラウンドで約610万ドル(約6億7000万円)を調達し、チーズブランドのブルサンは乳製品フリーの代替チーズスプレッド新商品を発表していた。
米国の買い物客の共感を呼ぶ商品
ロカ・フード創業者のローレン・ジョイナーは、米アーカンソー州出身。ルイジアナ州の学校に通い、その後カリフォルニア州サンフランシスコに移住した。ジョイナーは筆者の取材に対し先日、米南部の食事にはチーズディップが欠かせないと語った。
ジョイナーは、動物由来の食品を一切使用しないビーガンの代替商品を使い、こうした伝統的なコンフォートフード(食べることで満足感を得られ、ほっとするもの)を塗り替えたいと考えている。
同社の製品には最も一般的な8つのアレルゲンが使用されておらず、飽和脂肪や人工の原材料、保存料も含まれていない。
シディ・キャピタルの共同創業者でゼネラルパートナーのメリッサ・ファッチーナと、ロカ・フードの投資ラウンドに参加したクリア・カレント・キャピタル(Clear Current Capital)のマネジングメンバー、カート・オールブライトは、米国の買い物客の大多数がロカ・フードの商品に親しみを感じられるため、同社の商品は市場の主流層から人気を博すと考えている。
見本市でロカ・フードに出会ったファッチーナは「このカテゴリーは非常に大きく、チーズソース商品はワワ(Wawa)やセブンイレブンなどまさにどこでも見つけられる」と指摘。オールブライトも、同セクターが今後数年で急激な成長を遂げることを見込んでいて「早いうちにこの(乳製品フリーの)市場に参入することは道理にかなっている」と説明した。
ジョイナーが乳製品フリーのチーズソースを作り始めたのは2018年頃、カリフォルニア州サンマテオの業務用厨房の中だ。彼女の商品は数カ月以内にサンフランシスコの野球場オラクル・パークに選ばれ、インポッシブル・フーズとともに発売された。
同野球場はその後ロカ・フードの試験場となり、初期の複数の商品は好評を博した。同社はこれにより、サンフランシスコ大学やエヌビディア企業キャンパスを含む他の食品サービスルートにも拡大し、これらを合わせると当時の売り上げの大多数を占めた。