マルチチャネルな販売の機会
新型コロナウイルス感染症の流行により、ロカ・フードは事業モデルを消費者直販へと変更することを迫られた。ジョイナーにとってこの分野はグレーな領域で、彼女は最初、不安を感じていた。
しかしジョイナーは「顧客が当社の商品をインポッシブルフーズの代替肉と一緒にエンチラーダにして焼くなど、いろいろと意外な方法で活用していることを知ることができた」と語った。
「味から包装、ラベル、さらには出している広告に至るまで、あらゆる面でリアルタイムのフィードバックも得ている」と述べたジョイナーは、ロカ・フードのショピファイ販売サイトにおける顧客転換率が一貫して10%であることを指摘した。
ジョイナーによると、ロカ・フードはガソリンスタンドや映画館、従来型小売店など「ナチョチーズが提供されているあらゆる場所」での販売を目指している。
彼女は筆者に対し、「これは非常にユニークな分野でマルチチャネルの機会がある」と語った。「この秋の食品サービスのため、大手販売業者の2、3社と協議している。私が元々計画していたよりもはるかに早い段階で実店舗で販売開始するだろう」
チーズディップ以外にも拡大
ジョイナーによると、ロカ・フードは現在食品サービス向け製品の提供のため、乳製品チーズの生産に特化した共同製造業者と協力している。これは、従来の乳製品セクターが植物由来食品をますます成長の機会として認識するようになっていることをさらに反映している。
アイルランドの市場調査会社リサーチ・アンド・マーケッツ(Research And Markets)は2019年、世界のビーガンチーズ市場を約12億4000万ドル(約1400億円)と評価していた。同社は、その規模が2027年までに約44億3000万ドル(約4900億円)に達し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は15.5%になると予測している。
ジョイナーは2021年、ロカ・フードの現在の製品ラインの生産拡大に加え、将来の新たな乳製品フリー商品の開発も見込んでいる。
ジョイナーは「私は(ビーガンの)ナチョチーズ生産以外にも拡大することを計画している」と前置きしつつ、「それでも当社はこれからもずっと、乳製品を使ったコンフォートフードやスナックのカテゴリーに残るだろう」と語った。