しかし、規制当局はアマゾンへの監視を強化し、株主は同社が抱える多様性の問題や、労働問題を改善するよう求めている。さらに、先日発表された84億5000万ドル(約9300億円)での映画スタジオMGMの買収によって、コンテンツ関連でもさまざまな課題が待ち構えている。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは5月26日、CEOとしての最後の年次総会において、「アンディ(ジェシー)は社内でよく知られた存在であり、私とほぼ同じ期間この会社に勤めてきた。彼がアマゾンをありふれた会社にすることは決してない」と述べた。
ベゾスは、新たなリーダーのもとで明るい未来が待っていることを投資家に伝え、自動運転の配送車や、衛星ブロードバンドの「Kuiper」への投資など、新たなイノベーションへの投資を継続すると述べた。
「これらのアイデアが、すべて成功すると保証はできない。しかし、平均以上のリターンを得るための唯一の方法はリスクを取ることであり、その多くは失敗しない」と彼は語った。
ジャシーは今回の株主総会ではスピーチを行ってない。
ベゾスは、25日に首都ワシントンの司法長官が、同社に反トラスト法の訴訟を起こしたことを受けて、規制に関する懸念について話した。この訴訟では、アマゾンが小売大手としての地位を乱用して商品価格を引き上げ、独占禁止法に違反したとされた。
ベゾスはさらに、アマゾンのクラウド事業が、TwilioやSnowflakeなどの競合との戦いに直面していることにふれ、「成功には監視の目がつきものだと認識しており、それを歓迎している」と話した。
アマゾンは、ベゾスの指揮下で十数件の株主提案を退けており、その中には、ベゾスの会長就任を阻止し、代わりに外部の取締役の任命を求める提案が含まれていた。別の議案では、アマゾンが人種的マイノリティの労働者を差別したとされる問題について、外部の独立機関による監査を求めるものもあった。ブラックロック社、フィデリティ社、バンガード社などの機関投資家がこの議案にどのような立場をとったかは明らかではないが、支持者たちは、アマゾンが行動を起こすことを期待していたとされる。