直近1カ月のテレワークについては、約40%が「全くしていない」と答えた。また、「テレワーク・自宅勤務を推奨しない、禁止されることはありますか」という問いに対して、35%が「はい」と答えた。実態として「推奨されていてもテレワークができない仕事が多い」や「国会担当はテレワークが不可能。国会運営を考えてほしい」などの自由記述の回答があった。
上図は「あなたは、直近1カ月の全労働時間のうち、テレワーク・自宅勤務を何%していますか」という質問への回答。
官僚、国会議員の働き方改革の「見える化」を
残業代にあたる超過勤務手当の支払いをはじめとして、業務のペーパーレス化やオンライン化は各省庁でもばらつきがあるのが現状だ。さらに中央省庁のDXの推進だけでなく、国会運営や国会議員の業務の見直しと意識改革もセットで進めなければ、霞が関全体の変革には繋がらないだろう。
小室氏が社長を務めるワーク・ライフバランスは、2019年から全国会議員を対象に「デジタル実践議員宣言」を呼びかけている。ITなどの新たな技術を活用して、自ら働き方改革を実践し、DXを促進するといった趣旨だ。今年4月22日現在、賛同する議員は86人。こちらのサイトでチェックできる。
今後の同様な調査については、民間では限界があるとして、小室氏は「できれば政府として正式にやっていただきたい」と求めた。このような官僚と国会議員の働き方改革の「見える化」が進むことで、私たちは有権者として実情を知り、選挙の際の判断材料とすることができる。
また政策の中枢を担う人たちのアナログな働き方が変革しなければ、DXにおいても実社会とのギャップが生じる。後回しにされてきた国家公務員や国会議員の働き方改革について、いまこそ目を向ける時だろう。