回答のコメントには、「(立憲民主党について)通告を一度した後、何度も差し替え、時には前日22時や休日など非常識な時間に行うことも多い」や「(共産党について)夜10時を超えても通告を出さず、全省庁が待機させられました」のほか、「基本的にないが、遅れると土下座させられることがある」といった国会議員から理不尽な要求をされ、窮状を訴える声がある。
いまだに対面を求められる省庁も
一方、改善が見られた側面もある。前回8月に同社が発表した「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」の結果では「オンラインで議員レクができる」と答えた人は17%だったが今回は67%に増加。「議員とのやりとりはFAXではなくメールなどでできる」と答えたのは、前回の14%から69%に急伸した。コロナ禍に、オンライン化やペーパーレス化への対応が進んだことがうかがえる。
大臣レクのデジタル化は環境省が1位で、前回に比べて防衛省、法務省が大幅に改善した。
河野大臣は就任直後から「脱ハンコ」や「FAXの廃止」などを呼びかけ、国民の注目を集めてきたが、いまだに対面を求められる省庁として外務省、内閣官房、内閣府が多く挙げられた。小室氏は「(官民問わず)トップが変わらないと変わる組織はありません」と指摘するように、大臣の課題意識によって省庁の職員の働き方が左右されることを表している。
一方で、省庁内ではペーパーレス化が進んでいたとしても、国会議員から紙媒体の資料を求められるケースが指摘されている。
厚労省職員は、今回の調査に「審議会を開催するたびに、毎回複数の議員事務所に審議会資料を紙媒体で届けることが慣例化しています。審議会の資料は役所のホームページに公開されているので(中略)各議員事務所で印刷するようにしていただきたい」とコメントしている。若手職員が膨大な量の資料を印刷して封筒に入れ、霞が関から永田町の議員会館まで電車と徒歩で運ぶ作業をしているという。