同社の創業者でCEOの38歳のアンソニー・カサレナ(Anthony Casalena)は、同社の株式の約33%を所有している。
Squarespaceの上場申請は、同社が100億ドルの評価額で3億ドルを調達してからちょうど1カ月後のことだ。その評価額をもとにフォーブスは、カサレナの保有資産を30億ドル(約3240億円)と試算している。
ニューヨーク本拠の同社のソフトウェアは、パンデミックの間に人気が高まった。Squarespaceのサブスクリプションには、ドメインとウェブサイトの構築のみのシンプルなプランから、アクセス解析やマーチャンダイジングソフトウェアを含むものまで、さまざまなオプションが用意されている。加入者数は2020年に23%近く増え、370万人に達した。
同社は2020年に、前年比28%増の6億2000万ドルの収益を上げ、純利益は3100万ドル近くになったが、経費の増加もあり、2019年比で47%減となった。Squarespaceは米国とアイルランドで1200人以上の従業員を抱えている。
2003年、メリーランド大学でコンピュータサイエンスを専攻していたカサレナは、大学の寮で会社を設立した。「当時は、簡単なウェブサイトを立ち上げるためのツールがなく、不満を感じていた。Squarespaceはそのフラストレーションから生まれた企業だ」と、彼は目論見書で述べている。
カサレナは会社を立ち上げてから数年間は独力で運営し、2006年に最初の従業員を採用した。その4年後に、最初のベンチャーキャピタルのAccelとIndex Venturesから資金を得て、事業を拡大し始めた。
2010年以降に、同社はEコマース機能を導入するとともに、小規模ビジネスを運営する事業者向けの予約のインターフェースを導入した。
同社の競合であるEコマースプラットフォームのShopifyやWebホスティングのGoDaddyなどの株価は、この1年で急上昇した。2020年に29億ドルの売上を上げたShopifyの株価は約2倍になり、GoDaddyの株価は約30%上昇した。
Squarespaceは今年3月、レストラン向けのオンライン予約プラットフォームであるTockを4億ドルで買収していた。