他にも、放送開始に合わせてキャラクターがプリントされた切手の販売が開始される。また先日、「やくも」のキャラクターが全面にラッピングされた「痛車」風の多治見市公用車も発表された。
「やくも」のラッピングが施された公用車と古川市長
「今後も放送開始後に向け、多治見市を訪れた人に、多治見市の良さを知っていただけるよう『多治見市・多治見市観光協会に加え、JR東海、地元の企業やお店』も巻き込み様々な企画を進めていく」と古川市長。
井上部長は、「通常は作品が先にできて、放送後にあの場所はどこだということで盛り上がっていくが、今回ははじめから多治見市を全面に出していているため情報もすべて共有できる。自治体と一緒に作品を作るということはこんな感じなのかなと実感しています」と語る。
ライバーオーディションからVチューバー、新たな試みにも挑戦
日本アニメーションとしても「今回の作品では、他でやっていないことにとにかく挑戦していく」と井上部長。本編以外にも新しい試みが多く見られる。
声優への新たな窓口として、ライバー向けに2020年10月から21年1月にかけて、ミックスチャンネルのポイントランキングによる声優オーディションがCHET Agentの企画により開催され、2名の声優が決定した。
また放送のタイミングに合わせ実際のキャラクターのVチューバーが先述の多治見市の観光案内を初め、その後様々な活動を行う計画も進行中。
他に原作をベースとしてTVアニメ向けに脚色された物語が描かれたコミカライズ(映画やテレビの脚本、小説等を漫画に仕立てること)もされており、2021年1月28日からウェブコミック配信サイト「マンガクロス」(秋田書店)にて連載中だ。
発行元であるプラネットの小池会長は「アニメ化は本当に嬉しいが、放送を観てくれた人たちが多治見市の良さを知り、行ってみようと行動を起こしてくれること。その結果、地元多治見市が元気になって初めて目標が達成できる」と放送後に期待を寄せていた。
様々な新しい挑戦のもと、ローカル地域のPRとしてのTVアニメ&実写番組「やくならマグカップも」は2020年4月2日の愛知・CBCテレビを皮切りにBS11、TOKYO MX、大阪・MBS、AT-Xで毎週放送される。
原作者、自治体、制作者の三者で作り上げるこの作品が、舞台である「岐阜県多治見市」にどのような効果を生み出すのか。地域創生の新しい形として4月の放送開始以降に注目したい。