パンデミック下の米国で酒類とタバコが売上増、健康への懸念も

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米国立衛生研究所の国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)(メリーランド州ベセスダ)の所長、ジョージ・F・クーブ博士は、「パンデミック中に飲酒量が増えている人の多くは、ストレスや不安、抑うつなどに対処するために飲む量を増やしている」と指摘する。「アルコールは、不安やその他の不快な感情を一時的に和らげることができるが、その効果は長くは続かない。アルコールが切れると、ネガティブな感情が通常以上に高まってしまう傾向がある」

一時的なストレスに対処するための飲酒習慣の増加は、必ずしもアルコール使用障害であることを示すものではない。しかしクーブ博士らは、パンデミックの長期化に加えて、初期徴候としてアルコールの売り上げが増えていることが、これらの問題を引き起こすリスクにつながることを懸念している。

「ストレス対処の手段として飲酒するうちに、苦痛を和らげるためにアルコールを摂取し、アルコールが切れると気分が落ち込み、そのつらさをまぎらわすために再び飲酒する、というサイクルに陥る可能性がある」とクーブ博士は述べる。

パンデミック下では、多くの人がメンタルヘルスの問題に苦しんでいる。医師やメンタルヘルス専門家のあいだでは、アルコールの過剰摂取が、これらの問題を悪化させているケースもあるのではないかとの懸念が高まっている。

クーブ博士は、メンタルヘルスや飲酒の問題で助けが必要だと感じている人がいれば、パンデミックが続くなかであっても、ためらわずに適切なサポートを受けるべきだと強調している。

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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