新型コロナのパンデミックは終わっていない、過去は恐らく「序章」

2月20日、イタリアで新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されて1年がたった(2021年2月20日撮影、Getty Images)


成功した国との違い


こうしたイタリアの状況が、異例なわけではない。欧州では昨年の春から秋まで米国より感染をうまくコントロールできていた各国も現在、第3波に見舞われている。

一方、欧米各国とは異なる道をたどってきた国もある。例えばオーストラリアは、1日の新規感染者数が最も多かった昨年8月の時点で、その数は715人だった。警戒を怠らず、徹底的に検査を行い、感染者の追跡調査や隔離措置を通じてゼロ近くにまで引き下げた1日当たりの感染者数を、その後も維持している。

同国は現在、パンデミック発生前の生活に戻りつつある。小規模であれば結婚式を行うことが許可され、より大規模なスポーツイベントの開催が実現し、クラブで踊ることさえできるようになっている。

だが、米国などその他の国は、いまはパーティーを開くときではない。私たちは警戒感を保ち、感染者数を減らしていかなければならない。

安価で、自宅で行うことができ、迅速に結果が得られる検査を広範に実施し、感染者の接触者を幅広く追跡し、感染者との接触が確認された人はすべて監視の下で隔離することを義務づけ、その間の雇用と収入を保証し、必要があれば子供の世話を引き受ける──私たちがパーティーを計画できるようになるのは、こうした対策によって新規感染者数をゼロに近づけることができたときだ。

現在までのところは、パンデミックの序章に過ぎない。私たちが適切に行動しなければ、感染者数は前回のピークをさらに上回ることになる。

編集=木内涼子

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