2月20日、イタリアで新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されて1年がたった(2021年2月20日撮影、Getty Images)

公衆衛生当局の関係者たちは、新型コロナウイルス感染症とワクチンの戦いは今も続いていると訴えている。私たちがワクチンとともに勝利を収めるためには、この戦いを長期戦に持ち込む必要があるという。

感染者数が急増した厳しい冬を超え、ワクチン接種も進む中での春の到来は、「通常」の生活に戻りたい気持ちをさらに強くさせるが、彼らによれば、それは私たちがいま持つべき願望ではない。公衆衛生の専門家たちはそろって、「今は緩めるべきときではない」とのメッセージを発している。

「波」ごとに薄れる警戒感


欧州では現在、新型コロナウイルス感染の第3波が起きている。感染者数は増加が続いた後にプラトー(横ばい)の状態に達するが、それが繰り返されるたびに、私たちの感覚はまひしていく。新規感染者も死亡者も増え続ける現状に、私たちは慣れてしまうのだろう。プラトーの状態で気を緩めて活動を再開すれば、感染者数はまた急増し始める。

昨年の春までにイタリアで起きたことは、私たちの将来を示していたといえるかもしれない。その状況を振り返るとともに、今後起きる可能性があることについて、考えてみたい。

昨年の今ごろ、イタリアは感染者の増加の第1波を経験。最も多い時期で、1日に6200人程度の感染が新たに確認されていた。その後、春から夏にかけて新規感染数は減少。だが、ゼロに近づいたわけではなく、1日の新規感染者数は300人前後だった。

秋になると、感染者数はまた急増。1日当たり約4万人が確認されるまでに増加した。パンデミックを制御できないとき、起きるのはこういうことだ。今年1月には、一部地域で再びロックダウン(都市封鎖)を実施することになった。

2月にかけて、1日の新規感染者数はプラトーに達したものの、その数は約1万2000人だった。プラトーの状態になったことで、イタリアはまた制限措置を解除。だが、その後も感染者数の横ばいは続いただろうか──? 3月中旬現在、同国は再度ロックダウンを行っており、1日の新規感染者数は2万6000人を超えている。

編集=木内涼子

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