2021.02.27 15:00

2月27日は「国際ホッキョクグマの日」発見された毛のヒミツから人間のヘアケアが変わる！？

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2月27日は、ホッキョクグマや地球環境について考える「国際ホッキョクグマの日」だ。2005年、アメリカとカナダに本部を置く国際的な動物保護団体「ポーラーベアーズ・インターナショナル*」によって制定された。
* ホッキョクグマとその生息環境である北極の氷を保護することを目的にメディア・科学などを通じた活動を実施しているNPO団体

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理美容・化粧品事業・デンタル・メディカル事業を手掛けるタカラベルモントは、天王寺動物園のホッキョクグマの夫婦、パパ・ゴーゴ＆ママ・イッちゃんの毛を素材にした最新研究を進めている。

絶滅の危機に直面しているホッキョクグマの現状は？

地球温暖化の影響で、この数十年で北極の海氷面積は急速に減少している。北極の気温の上昇は、秋の海氷形成を遅らせ、春の海氷の解凍を早める。これはそのまま、凍りついた海でアザラシなどの海獣捕食に特化したホッキョクグマが、獲物にありつけない時期が長くなり、棲み家や餌を失いつつあることを意味している。近い将来、北極の氷とともに、ホッキョクグマは絶滅する危険性が指摘されている。

昨年は、コロナ禍により大阪・天王寺動物園をはじめとした関西の動物園での啓蒙イベント中止

大阪の天王寺動物園をはじめ神戸の王子動物園などでは、この「国際ホッキョクグマの日」に餌やり体験などのイベントを行い、ホッキョクグマの生息環境や地球環境について考えるきっかけづくりに努力している。しかし、昨年はコロナ禍により、このようなイベントも中止に。

地球にとっても、ホッキョクグマにとっても大切な機会が失われている。

雪をプレゼントされてはしゃぐイッちゃん（2019年2月撮影　写真提供　天王寺動物園）

嬉しいニュースも！　昨年11月、天王寺動物園に赤ちゃん誕生

イッちゃんと赤ちゃん（2021年2月2日10時54分撮影　写真提供天王寺動物園）

そんな中、2020年11月25日に、天王寺動物園のゴーゴ＆イッちゃんに赤ちゃんが誕生したことは、久々の明るい話題だった。日本で現在*飼育されているホッキョクグマは38頭。高齢個体が多く、ここ20年で約4割も減ってしまった。ここにこの赤ちゃんが加わることになる。
*2019年末現在　日本動物園水族館協会調べ　

ホッキョクグマ・ゴーゴ＆イッちゃんの毛のヒミツを解き明かす！

ホッキョクグマの毛は、「毛が白ではなく透明」、「ホッキョクグマの毛は中心が空洞になっているのに温かさを保っている」ということはよく知られている。しかし、タカラベルモントの化粧品研究開発部が “世界初の毛幹部の縦切り技術” で、ゴーゴ＆イッちゃんの毛を切ってみたところ、新たな発見があった。

新発見①　毛の中心から外に向けて溝がある
新発見②　毛の中心は、空洞だけではなく詰まっているところもあった

【一本の毛の断面】

“世界初の毛幹部縦切り技術” で人間の髪も見たら、世界初の発見に！

さらに、タカラベルモントは、この “世界初の毛幹部縦切り技術” で人間の髪の内部も研究。すると、髪の中心部にありながらも、未解明の領域が多い「Medulla（メデュラ）」と呼ばれる部位で生じる構造変化を観察することに世界で初めて成功した。そして、光が散乱して内部が黒く不明瞭に見える「black Medulla」と白く明瞭に見える「white Medulla」の2種類のメデュラが存在することを発見。さらに、それぞれのメデュラの構造をより詳細に観察したところ、「white Medulla」は、「black Medulla」と比較して、中央の繊維状構造が太く、空隙も半分以下であることも解明した。

「Medulla（メデュラ）」にアプローチする世界初の技術「Hair Medulla Care」で、人間のヘアケアが変わる!?

そして空洞化した「black Medulla」を「white Medulla」に変化させ、「Medulla（メデュラ）」の空洞化を持続的に改善する技術の開発も世界で初めて成功。このようにMedullaに直接作用させて、芯から毛髪を変えていく技術を、独自技術の「Hair Medulla Care」と定義した。

「Medulla（メデュラ）をケアすれば、髪の外からの見た目も変化する」という発見を、昨年10月の国際化粧品技術者会連盟の学術大会『IFSCC Congress 2020 Yokohama』で口頭発表した。

ホッキョクグマの毛の研究をきっかけに、人間の髪がキレイになるという驚きの発見となった。