スマホ業界ではここ最近、iPhone 12シリーズやサムスンのGalaxy S21やS21+などが、エッジが湾曲したディスプレイではなく、フラットなディスプレイを採用したが、シャオミは逆の方向に進もうとしている。
シャオミの新たなディスプレイのプロトタイプは、画面の4辺が全て丸みのあるガラスで覆われ、側面まで回り込む構造になっている。従来のスマホのエッジディスプレイは、左右の辺のみが丸みのある構造になっていたが、この端末は、4辺の全てがガラスで覆われている。
このディスプレイが画期的なものであることは、シャオミが公開したデモ動画を観れば、一目瞭然だ。同社はこのディスプレイが、滝のように流れ落ちる映像表現を可能にすることから、「ウォーターフォール・ディスプレイ」と呼んでいる。デモ動画を見ると、ディプレイで覆われていないのは端末の4隅の小さなエリアと、エッジのごく限られた部分のみになっている。
シャオミはこれがコンセプト動画だとしているが、担当者の一人はニュースサイトThe Vergeの取材に、このディスプレイが実際に存在すると話しており、そう遠くない将来に商品化される可能性がある。
シャオミは公式ブログで、88度の4曲面ガラスパネルが、従来のガラスパネル製造の技術的限界を突破したと述べている。ただし、このようなディスプレイは、別の問題を抱えるかもしれない。
その問題とは、他のエッジディスプレイ端末が直面したのと同じもので、端末を手で持った際にエッジ部分に触れることで誤作動が起きてしまう可能性だ。これを防ぐためにシャオミが何らかの対策を講じていることを期待したい。
さらに、湾曲したディスプレイに表示される映像が、歪んだものになる可能性もある。
しかし、この端末はさらに別の興味深い特徴も備えている。筐体の大部分がディスプレイで占められることになるこの端末は、ポートレス仕様になり、充電はワイヤレス充電のみに対応する。
さらに、フロントカメラはディスプレイの下部に内蔵されることになる。つまりディスプレイ上にレンズ用の穴は存在せず、指紋センサーも画面上には存在しないことになる。指紋センサーは電源ボタン上に設けられる、もしくは、その両方を排除した端末になる可能性すらあると考えられる。
シャオミの新端末が、非常に画期的なデバイスになるのは確実と言えそうだ。同社がなるべく近い将来に、この端末を世に送り出すことを期待したい。