それは、ワイヤレス充電を再定義することだ。これまで様々なメーカーが、ワイヤレス充電を市場に投入したが、磁気コネクタで端末を固定するタイプのものは、従来のプラグ式充電器と明確な違いを打ち出せていないのが現状だ。
iPhone 12 でアップルのワイヤレス充電システムMagSafeを試した一部のユーザーは、それが従来のLightningケーブルを用いた充電よりも、便利だとは感じていない。
そんな中、シャオミは「Mi Air Charge Technology」と呼ばれるエアチャージ技術を発表した。このテクノロジー以前から話題になっていたが、同社はようやく現実のプロダクトに仕上げた模様だ。ただし、発売日や価格はまだ公開されていない。
この充電テクノロジーは非常に未来的なものであり、スマホにミリ波を送信する144のアンテナを用いて動作するという。アンテナと端末は、最大約15フィート(約4.5メートル)離れていても充電が可能で、同じ部屋に居れば充電できることになる。
もちろん、充電が可能なのはこのシステムに対応する端末のみであり、ベースステーションとやり取りするためのアンテナに加え、ミリ波を電力に変換するための整流回路も内蔵している必要がある。
シャオミによると、ユーザーは充電中にスマホを使用可能で、ゲームなどを楽しみながら充電できるという。初期バージョンのワット数は5Wで、さほど高速とは言えないが、将来のバージョンでは高速化が期待できるという。
シャオミはこのテクノロジーをユーチューブで公開したデモ動画で説明している。
このような充電システムが、頭痛を引き起こすことを懸念する人もいるかもしれないが、シャオミはその点については言及していない。筆者は、このシステムで用いられるミリ波はごく微弱なものであるため、そのような危険は無いと考えるが、今後、さらなる説明があることを期待したい。
ただし、シャオミがまるでSF映画のようなテクノロジーの実現に向けて、準備を整えつつあることは確かなようだ。