成長の追い風になっているのは、急拡大を続けるオンライン販売と、米国中部への進出、アスレジャーの新たな商品ラインだ。また、ヴィクトリアズ・シークレットのようなスーパーモデルを起用したイメージづくりを避け、「普通の女性」を支持するマーケティング戦略も奏功している。
エアリーはここ6年間、四半期ごとに2ケタ台の伸びを見せ、20%を超えることも多々あった。市場調査会社ユーロモニターによると、米国の女性下着市場でエアリーが占めるシェアは現在6.7%で、2015年の2%未満から拡大している。
一方、ヴィクトリアズ・シークレットは多くの消費者からの支持を失い、市場シェアは過去5年で32%から21%へと急減した。
エアリーの成功は、ブランドとしての「アメリカンイーグル」がこのところ抱えていた問題の埋め合わせにひと役買っている。アメリカンイーグルは、2020年に売上が2ケタ減少したと発表した。
アメリカンイーグルによると、今後2年から3年で、200店から250店の店舗閉鎖を検討している。また、売上は2023年まで横ばいになる見通しだという。
それに対してエアリーは、2021年に新たに50店舗をオープンする予定で、年末までに店舗数は400店に達する。2023年には500店か600店まで増やしたい考えだ。
エアリーが成功した大きなきっかけは、2014年に、広告写真の加工修正を一切やめると幹部が宣言したことだと言えるだろう。ヴィクトリアズ・シークレットによる支配が長く続いてきた下着業界では、先駆けとなる動きだ。ヴィクトリアズ・シークレットと言えば、露出度の高いランジェリーを身に着けてセクシーさを強調したスーパーモデルたちの画像に加工修正を施していたことで知られている。
エアリーはまた、2016年から始まったマーケティングプログラム「#AerieReal」の一環として、あらゆる体型をした普通の女性たちをスポークス・パーソンとして宣伝に起用してきた。