アメリカンイーグルアウトフィッターの最高クリエイティブ責任者(CCO)で、エアリーのグローバル・ブランド・プレジデントも務めるジェニファー・フォイル(Jennifer Foyle)はインタビューで、「私たちはスーパーモデルを起用することに反対している」と述べた。
下着業界に新規参入して人気を集めている「サードラブ」や「トゥルー・アンド・コー」、「パレード(Parade)」などのブランドもまた、マーケティングキャンペーンではセクシーさを強調せず、ごく普通の女性たちの美しさや真の姿を支持し、応援している。
米ドラッグストアチェーン「CVS」も2018年にエアリーにならい、自社店舗8000店で販売されている化粧品のイメージ写真に、加工修正が施されているものといないものがわかるマークを入れると発表。それをきっかけに、提携する美容ブランドの多くが画像の加工修正をやめるようになった。
エアリーは、ビジネスチャンスは十分にあると踏んでいるようだ。米国の女性が下着やファッション小物、水着やアクティブ系アパレルに注ぎ込むお金は年間650億ドルに上る。そこに狙いを定めたエアリーは、米国中部や西海岸の消費者をより惹きつけようと市場開拓に乗り出している。
エアリーは、拠点を置く東海岸で、すでに確固たるプレゼンスを築いている。2020年7月にはアスレジャーの新ブランド「オフライン」を立ち上げ、55ドルのレギンスや35ドルのスポーツブラなどの販売を開始した。
エアリーのマーケティング戦略の要となっているのが、Z世代の顧客にTikTokなどのソーシャルメディアでブランドを話題にしてもらうやり方だ。
エアリーは2020年4月、TikTokアカウントを立ち上げ、同SNSで大人気の女子高校生チャーリー・ダミリオ(Charli D’Amelio)(フォロワー数は1億600万人で、TikTokの高額報酬ランキング第2位)と、多くの「#AerieREAL」のスポークス・パーソンに対して、ハッシュタグ・チャレンジとして「感謝したい3つのこと」をシェアするよう依頼した。
このチャレンジに参加したTikTok動画は20億回以上再生され、エアリー公式サイトへのトラフィックは855%増加した。「私たちは全力で、エアリーのコミュニティと親密な関係を築いている」とフォイルは述べた。