21世紀ビジネスで「マイノリティ経験が絶対的な武器になる」理由

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阪原:新型コロナウイルスにより社会が変わったことで、僕のところに相談に見える方もいるのですが、それまでの自分や、自分がやってきたことを捨てないと、と思っている方が多い気がします。これまでのものを否定して、根っこから変えなければいけないと思ってしまうのです。

しかし、自分をなくして新しいものになろうとするのは弁証法的じゃありません。あくまで、これまでの自分を持ったまま、新しい世の中に対して変化をしていく必要があります。僕自身、弁証法の発想でMBAを取得し、映画監督になり、大学で教えるようになり、4月からは大学院で経済学を教えることになりました。これも弁証法的な発想で自分を知ったうえで、変化し続けてきたからだと思います。なお、弁証法的な発想は世の中のことを読み解くことにも大いに役に立ちます。その方法については、拙著『増補 社会原理序説』(dZERO)にも書かせてもらいました。

永田:今までの自分というものがあれば、その軸と新しい世界がどう関わっていくかを考える。自分を否定しないほうがいい結果になるということですね。

阪原:自分の本質と新しいものをかけ合わせて、新しいものになるということですね。


阪原淳(さかはら・あつし)◎京都大学経済学部卒、電通を経て、カリフォルニア大学バークレー校にてMBA取得後、シリコンバレーのベンチャー企業へ。その時、MBA時代にプロデューサーとして参加した映画がカンヌ映画祭短編部門でパルム・ドール賞受賞、帰国。経営技術の普及活動に取り組む。著書に『直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~』(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)、『小さくても勝てます』(ダイヤモンド社)、『徹底的自分中心 プロアクティブ学習革命』(イースト・プレス)ほか。初長編監督作品のドキュメンタリー映画『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』は3月20日に劇場公開を予定。現在は、明治大学サービス創新研究所客員研究員、京都精華大学英語担当非常勤講師。


永田公彦(ながた・きみひこ)◎Nagata Global Partners代表パートナー、フランス国立東洋 言語文化学院非常勤講師。フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第二大学非常勤講師(アジア経済・経営修士コース 98‐00 年)、北九州市立大学特任教授(グローバル人材育成教育13‐16年)、パリ第9大学非常勤講師(異文化マネジメント修士14-19年)を歴任。オフィシャルサイトはこちら

文=阪原淳

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