この分析によれば、2020年12月23日までの医療従事者の死者数は2921人で、うち半数以上が60歳未満だった。米国疾病予防管理センター(CDC)の公式発表では、医療従事者の総死者数は12月17日時点で928人とされていたが、この数字については、実際よりも少ない可能性があることをCDCも認めていた。また、新型コロナウイルス感染症による死亡年齢の中央値は、全人口で見ると78歳だが、パンデミックの最前線にいる医療従事者では59歳であることが、この分析により明らかになった。
ガーディアン紙とカイザー・ヘルス・ニュースの分析によれば、医療従事者の死者のうち、3人に2人は有色人種だった。また、死亡した人の大多数は、個人用防護具(PPE)の不足に懸念を抱いていたという。
医療従事者の死者のうち約680人は、パンデミック初期段階に流行が猛威を振るったニューヨーク州とニュージャージー州の死者だった。一方、ここ数カ月を見ると、南部や西部の州で死者数の増加が続いている。
この調査では、移民の医療従事者が12月23日までの死者数の3分の1以上を占めており、亡くなった人のうち90人がフィリピン出身者だったことも明らかになった。
この調査では、これまでにパンデミックによる死者を最も多く出している医療システム内の職種も分析された。ほぼ3000人の総死者数のうち、職種に関するデータが得られたのは1394人だった。死者のおよそ3人に1人は看護師で、全体で420例が看護師と特定された。次いで多かったのが看護助手、3番目が医師で、死者数はそれぞれ200人を超えている。そのほかにも、医療従事者の死者には、救急隊などのファーストレスポンダー、ソーシャルワーカー、清掃担当者、調理スタッフなど幅広い職種の人が含まれていた。
新型コロナウイルス感染症による米国医療従事者の推定死者数(職種別)
※2020年12月23日までのデータ。総死者数2921人のうち、職種に関するデータが得られた1394人。