いま「キノコ」がすごい グリーンな建築、ファッション、食の原料に

未来はキノコが活躍?(Photo by Unsplash)

キノコ類がグリーン素材へと姿を変え、今後さらにさまざまな分野で用いられるかもしれません。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・菌糸体は、菌類の栄養体を構成する、枝分かれした菌糸の集合体です。
・菌糸体を利用すると、多様な形状で、耐久性が高く堆肥化可能な素材を作り出すことができます。
・建築用レンガから代替肉に至るまで、菌糸体はあらゆるものの原料になります。
・キノコを原料とした製品は、サーキュラー・エコノミーを構築する鍵となります。

菌糸体はそもそもキノコ類の栄養体にあたる部分ですが、容易に成長し、100%生分解できるため、将来、究極のグリーン素材になる可能性があります。ファッショナブルなハンドバッグ、梱包材、レンガといったものまで、あらゆる製品の素材となる可能性が開かれています。

菌糸体は枝分かれした菌糸の集合体で、キノコなどの菌類を形成します。

菌糸体は、安全で生命力が強く、生分解性に優れ、幅広い用途に使用できる素材です。分解に数百年を要することもあるプラスチックや合成素材と異なり、菌糸体を原料とした製品は、想定される製品のライフサイクル後に自然に分解されます。

菌糸体を原料とする製品は、持続可能性に優れ、廃棄物の低減とモノの生産と使用方法の転換を目指すサーキュラー・エコノミーの構築を後押しします。

サーキュラー・エコノミーは、世界中で2030年までに最大4兆5000億ドルの経済効果をもたらし、温室効果ガス排出量の削減、土地活用の改善といった環境面での良い影響も見込まれています。

サーキュラー・イノベーションを支援するため、世界経済フォーラムは「Scale360° Playbook」を作成しました。サーキュラー・エコノミーの持続的なエコシステムを構築するための取り組みの一環として、技術者、研究者、起業家、各国政府が連携して、資源と専門的知見を最大限に活用できるように支援しています。

また、世界中から集結した新進気鋭のイノベーターたちは、世界経済フォーラムのオープン・イノベーション・プラットホームであるアップリンク(UpLink)を通じてアイデアとソリューションを共有し、問題解決に向けて協働しています。

菌糸体を素材とする、5つの持続可能な代替製品を紹介します。

1. 環境に優しい建材


農業廃棄物で菌糸体を培養して作られた菌糸体合成材から、低コストで環境に優しい建材を作ることができます。これは、建設業界における化石燃料を使用した製品への依存度を低下させることにつながります。
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文=Natalie Marchant, Writer, Formative Content

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