4. 代替肉
菌糸体は、植物由来の食肉の原料としても利用できます。ハンバーガー用の肉やミンチ肉のように、主にひき肉の形状をしている他の代替肉と異なり、菌糸体は3D形状に成長させたり、後加工で成形をしたりすることができます。
コロラド州を拠点とする代替肉ブランドのミーティー・フーズは、菌糸体を使った製品は、最終的には、工業生産された動物性の肉に比べて、水と土地の使用量、CO2排出量を99%低減させることができると見ています。
5. 使い捨て可能なヘルスケア製品
美容業界における使い捨てプラスチックへの取り組みのために、エコバティブ・デザイン社は、100%堆肥化可能(同社発表)な発泡材「マイコフレックス」を作成しました。この発泡材は、メイクアップスポンジ、使い捨てスリッパ、使い捨てマスクといった、あらゆる製品の素材として活用することができます。
将来的に、菌糸体は、医療品や臓器の製造までも可能にするだろうと、エコバティブ・デザインは予測しています。最高経営責任者(CEO)のエベン・ベイヤー氏はCNNの取材に対し、「私の夢は、いつの日か人工肺を作り、人工肺に人工肺細胞を植え付けること。菌糸体から毛細血管網を形成し、ヒトの細胞を使って人工肺を作り上げることです」と語っています。
飛躍した話に聞こえるかもしれません。しかし、米調査会社のマッシュルーム・マウンテンの微生物学者兼オーナーであるトラッド・コッター氏もまた、ナショナルジオグラフィック誌の取材に対し楽観的な見解を述べています。「農業、医学、研究室において高い汎用性を有する限り、キノコ類に不可能なことはあまりありません」
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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