NetEase Gamesは、中国本土や日本などを含む海外市場で人気のオンラインゲーム開発及び運営を行っており、現在100タイトル以上を展開、世界の各ストアランキングでも上位のヒット作品を多数生み出している。
なかでも「荒野行動」は、米調査会社Sensor Towerが集計した2019年の中国のゲーム配信の海外収入ランキングで、2年連続でトップ3にランクイン。これまでに全世界で累計3億人以上、日本だけでも3500万以上がダウンロードする人気ぶりとなっている。
そのNetEase Gamesが、「日本と中国で1つのチーム」という考えのもと新設したのが「桜花スタジオ」だ。なぜ広州と渋谷の2拠点なのか。今後どのような展開を描いているのか? 発起人でもある赤塚哲也氏と、広州と渋谷、それぞれの中核リーダーである小澤健司氏と久保田 光氏に話を聞いた。
(左から)久保田 光氏、赤塚哲也氏、小澤健司氏
渋谷と広州、両拠点にした理由
「国境を越えて志を共にする人たちと創りたいものをゼロから創れる、そんな場所をつくりたかった」と話すのは、桜花スタジオの代表として広州に身を置きながら日本との組織づくり、企画立案に邁進する赤塚氏だ。
同氏はバンダイナムコスタジオ(旧ナムコ)に20年以上勤め、ゲームデザイナーから開発本部長まで経験。日本発のキャラクターを活用したさまざまなゲームタイトルも生み出すなど活躍したのち、2019年8月にNetEase Gamesに参画した。
2拠点を構える理由について赤塚氏は、「広州や深センのテック関連企業はスタッフの平均年齢が低く、若い人たちが中心となってイノベーションを起こし、ビジネスシーンをリードしています。そのなかにあって、NetEase Gamesは、多々ある中国のゲーム会社のなかでも極めて自社開発能力が高い。そんな文化を持つグローバル企業と、ゲーム業界を牽引してきたDNAをもつ日本のクリエイターたちが出会うからこそ描ける新たな世界がある」と語る。
桜花スタジオは次世代コンソールゲームの開発をミッションとして設立されたNetEase Gamesのインハウススタジオであり、ハイエンドなゲーム体験の提供を創り出すことを目指している。コンソールゲームとは専用機器を必要とするゲームのことで、よりクオリティーの高いダイナミックな表現が可能になる。
NetEase Gamesにとって、自社でのコンソールゲームの開発は初めての挑戦。日本と中国、双方の強みを最大限に活かした多様性豊かなチームで、世界中のユーザーに新しい感動を提供しようとしている。