「平成の歌姫」ブームを担ったクリエイターは新時代に何を手放すのか?

西大寺 原氏作品


──ウィズコロナ、アフターコロナの時代とは、どんな時代だと捉えていますか?

人間は自然を破壊開拓して都市をつくり、自然(海、山、川、森)と分断した都市型生活をしながら会社に依存してきましたが、今後はリモートワークが定着し、自然の中で生活したり世界中を旅したりしながら、仕事ができる素晴らしい自由な新時代になるでしょう。

また人も企業も、環境問題やSDGsなどを強く意識し、「心」を中心とした精神的な幸せ感を追い求める時代に入ったと思います。


──そんな新しい時代においては、どんな素養が必要になるでしょうか。

さまざまな価値観や情報が洪水のようにあふれるなかで、地球や人間以外の生き物にも興味を抱きながら、自分らしい小さな幸せを見つけることが、人生の大きな目標を見つけるポイントになるような気がします。

たとえば、高級なフランス料理ではなく、お好み焼きを囲んで団らんするなど、とにかく価値観を「物質的高級な幸せ感」でなく、「精神的小さな幸せ感」に切り替える事が重要になると思います。

──そういう新時代に突入していく上で、原さんが実際に「捨てること」「やめること」とは何でしょうか。

物質的には、2台ある車を手放し、1台だけリースしようとしています。家も以前は大きな家に住みたいと思っていましたが、今は小さな暖かい家がいいと思うようになりました。会社も最低限で経営できるように経費を最小限に減らし、個人の保険関係も全て見直しました。精神的には好きな仕事をし、好きな人とだけとお会いすることにしていますので、あまり捨てるものはありませんでした。

私はこれまでも、自分の心のギアがいつもニュートラルにあることを強く意識して生きてきました。そのためには、できるだけ何も持たず、何にも束縛されないことが一番大事だと思っています。

──物質主義から解き放たれて、改めて意識することは?

クリエイターとしては、環境問題やSDGsなどを意識し、「心」を中心とした精神的な幸せを感じられるという企業のNEWブランデイング「ART+DESIGN+時代感」を展開し、社会に貢献したいと思います。

現代美術家としては、環境問題、アナログとデジタルの調和、自然と文化、個人と世界システムなどをテーマにして、誰もがまだやっていない、心が震えるような表現を探し求め、世界が驚くような作品を発表し続けたいと思っています。

文=谷本有香

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