アップル関連の確度の高いリーク情報で知られるジョン・プロッサーと、投資銀行のバークレーのレポートによって、iPhone 13では、12シリーズの大きな欠点が克服されるだけでなく、過去十年ほどで最も画期的なテクノロジーが実用化されることが明らかになった。
プロッサーは彼が運営するユーチューブ番組Front Page Tech showで、iPhone 13シリーズには新型のLTPOディスプレイが登載されることを確認したと述べた。LTPOは「Low Temperature Polycrystalline Oxide」(低温多結晶酸化物)の略称で、低温ポリシリコン(LTPS)とリーク電流の少ないTFTを組み合わせることで、「ディスプレイの書き換え」にかかる消費電力を抑え、モバイル機器の消費電力を大幅に削減するテクノロジーとして注目されている。
LTPO技術を用いて省電力性を高めることで、120Hzのプロモーションディスプレイの性能を極限まで引き出すことが可能になる。
プロッサーはさらに、LTPO技術の採用によって、iPhoneのディスプレイの常時点灯が可能になるかもしれないと述べている。アンドロイド端末では、ディスプレイの常時点灯は珍しいものではないが、この機能を実現するためには大容量のバッテリーが必須になっていた。
サムスンは、Galaxy Note 20 UltraでLPTOディスプレイを採用し、省電力化と高解像度化を両立させていたが、アップルもiPhone 13でそれに追いつくことになりそうだ。
一方で、12月18日のMacRumorsの記事によるとバークレーのアナリストは、アップルがiPhone 13シリーズにWiFi 6Eを登載すると述べたという。ブロードコムのバイスプレジデントのVijay Nagarajanは、WiFi 6Eの採用が過去20年間のWi-Fiの歴史の中で最も画期的なアップグレードになると述べている。
Wi-Fi 6Eは、2020年1月にWi-Fi Allianceが発表した新たなWi-Fiの規格で、6EのEは「拡張された」を意味する英語のExtendedから来ている。
Wi-Fi 6までの規格は2.4GHz帯と5GHz帯を使用していたが、6Eは、今後世界で普及が見込まれている6GHz帯に対応する。6 GHz帯での通信は大容量のデータ転送を可能にし、HD動画ストリーミングやVR(仮想現実)などで威力を発揮する。
「新たな通信規格への対応は、スマートフォンやAR/VR機器に新たなエクスペリエンスをもたらし、ウェアラブル機器にも革命をもたらすかもしれない」とブロードコムのNagarajanは述べている。
iPhone 13に関しては既に5G通信への本格対応や、ストレージの大容量化、ノッチ面積の縮小や待望の指紋認証Touch IDの復活など、様々なメリットが盛り込まれることが確実となっている。
筆者個人としては、買い替えを躊躇しているiPhoneユーザーには、来年の新機種を待つことをお薦めしたい。