だからと言って、玩具メーカーのレゴとその小売パートナー、マーシャル・リテール・グループ(Marshall Retail Group:MRG)が大規模な空港内出店計画を諦めることはなかった。レゴが米国内の空港に店を構えるのは初めてのことだ。
レゴが空港での店舗展開へと足を踏み出したのは、実際には、パンデミックが起きたからかもしれない。国際路線はかなり縮小しているが(10月には88%減)、国内路線が充実している米国のような市場は、それほど縮小していない。それは、米運輸保安庁(TSA)が運営する全米の保安検査場を通過する旅行者数に表われている。
ラスベガスに本拠を置き、空港やカジノ、リゾートを専門に小売店を展開するMRGは2019年12月、全世界の駅や空港で書籍・文具販売店を展開する英企業WHスミス(WHSmith)の傘下に入った。MRGは、2021年に米国内の空港でレゴストアを12店舗オープンさせる計画を立てている。ただし、すべてはパンデミックの成り行き次第だ。
MRG会長で最高執行責任者(COO)のデイヴィッド・チャールズ(David Charles)はForbes.comに対し、こう語った。「私たちは来年中に12店舗のオープンを目指しているが、すべては機会の有無と、旅行市場の回復具合で決まる。問題は新型コロナウイルスの状況と、ワクチン接種がどのように行われるかだ」
一方でMRGは、レゴストアの空港出店をすでに開始している。2020年12月はじめには、ユタ州のソルトレイクシティ国際空港に独立型のレゴストアをオープンした。それに先立つ6月には、ニューヨーク・ラガーディア空港の改装後まもないターミナルB内にある「Bowery Bay Shops」で、ショップ・イン・ショップ型店舗が営業を開始している。
チャールズはこう続けた。「他にも出店計画があり、契約が済んでいるところもあるが、まだ明らかにはできない。ほかの場所についても協議中だ」