ビジネス

2020.12.23

レゴ、コロナ禍の先を見据え米空港ターミナルに初出店

Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミックで最も大きな打撃を受けた販売チャネルは、空港内の小売店かもしれない。2020年は航空路線が大幅に運休、あるいは減便されたため、空港ターミナルで買い物する客が減ったのだ。

だからと言って、玩具メーカーのレゴとその小売パートナー、マーシャル・リテール・グループ(Marshall Retail Group:MRG)が大規模な空港内出店計画を諦めることはなかった。レゴが米国内の空港に店を構えるのは初めてのことだ。

レゴが空港での店舗展開へと足を踏み出したのは、実際には、パンデミックが起きたからかもしれない。国際路線はかなり縮小しているが(10月には88%減)、国内路線が充実している米国のような市場は、それほど縮小していない。それは、米運輸保安庁(TSA)が運営する全米の保安検査場を通過する旅行者数に表われている。

ラスベガスに本拠を置き、空港やカジノ、リゾートを専門に小売店を展開するMRGは2019年12月、全世界の駅や空港で書籍・文具販売店を展開する英企業WHスミス(WHSmith)の傘下に入った。MRGは、2021年に米国内の空港でレゴストアを12店舗オープンさせる計画を立てている。ただし、すべてはパンデミックの成り行き次第だ。

MRG会長で最高執行責任者(COO)のデイヴィッド・チャールズ(David Charles)はForbes.comに対し、こう語った。「私たちは来年中に12店舗のオープンを目指しているが、すべては機会の有無と、旅行市場の回復具合で決まる。問題は新型コロナウイルスの状況と、ワクチン接種がどのように行われるかだ」

一方でMRGは、レゴストアの空港出店をすでに開始している。2020年12月はじめには、ユタ州のソルトレイクシティ国際空港に独立型のレゴストアをオープンした。それに先立つ6月には、ニューヨーク・ラガーディア空港の改装後まもないターミナルB内にある「Bowery Bay Shops」で、ショップ・イン・ショップ型店舗が営業を開始している。

チャールズはこう続けた。「他にも出店計画があり、契約が済んでいるところもあるが、まだ明らかにはできない。ほかの場所についても協議中だ」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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