ここ5年は、米国の大富豪一族にとって良い時代だった。株式市場の好調により、フォーブスがまとめた最新の「米富豪一族ランキング」に入った50の一族の保有資産額総計は1兆2000億ドル(約124兆円)と、2015年の9160億ドルから約30%上昇した。50位の保有資産額は73億ドル(約7500億円)で、フォーブスが最後に50位までのランキングを作成した5年前の60億ドルから上昇した。
ランキング首位は今年も、小売大手ウォルマートを創業したサム・ウォルトン(1992年死去)とバド・ウォルトン(1995年死去)兄弟の子孫であるウォルトン家が維持した。一族の総資産額は2470億ドル(約25兆4000億円)。一族は同社の株式の半分を所有しており、配当金収入は年間7億ドル(約720億円)以上に上る。
2位は、複合企業コーク・インダストリーズの84%を所有しているコーク家。同社はパイプラインや化学、紙コップ、カーペットなどの事業から年間1150億ドル(約11兆8000億円)以上を売り上げている。
ランキング入りした一族が手掛けている有名ブランドには、チョコレート菓子のM&Mやペットフードのペディグリー(いずれもマース家)、ウイスキーのジャックダニエル(ブラウン家)、キャンベルスープ(ドランス家)、衣料品のギャップ(フィッシャー家)などがある。有名な富豪一族としてはデュポン家やロックフェラー家がランキングに入ったが、アスター家やバンダービルト家、フォード家は世代を重ねる中で資産を減らし、上位50位内には入っていない。
非白人でラインキング入りしたのはアジア系のチャオ家のみで、人種間の富の格差が浮き彫りとなった。創業者のT・Tチャオ(2008年死去)は1980年代に台湾から米国に移住し、化学メーカーのウェストレイク・ケミカルを創業した。
以下は、今年のフォーブス「米富豪一族ランキング」上位10位の顔触れ。完全版リストは
フォーブス英語版サイトで公開されている。
1位 ウォルトン家資産額:2470億ドル
収入源:ウォルマート
2位 コーク家資産額:1000億ドル
収入源:多角経営
3位 マース家資産額:940億ドル
収入源:菓子製品
4位 カーギル・マクミラン家資産額:470億ドル
収入源:カーギル社
5位 ローダー家資産額:400億ドル
収入源:エスティ ローダー
6位 SCジョンソン家資産額:370億ドル
収入源:洗剤製品
7位 (エドワード・)ジョンソン家資産額:360億ドル
収入源:資産管理
8位 コックス家資産額:345億ドル
収入源:メディア
9位 プリツカー家資産額:325億ドル
収入源:ホテル経営、投資
10位 ニューハウス家資産額:300億ドル
収入源:雑誌・新聞