データ管理のユニコーンCohesity創業者が育ったインド新興都市の魅力

Cohesity創業者でCEOのモヒト・アロン(Getty Images)

起業家にとって、どのような土地で生まれ育ったかはとても重要だ。最新の資金調達ラウンドで25億ドル(約2600億円)の評価を受けた、シリコンバレーのユニコーン企業「Cohesity」の創業者でCEOのモヒト・アロン(47)は、デリーの北250キロに位置する、インドで最も近代的で豊かな都市にあげられる、チャンディーガルで育った。

1947年のインドとパキスタンの分割統治の結果として誕生したチャンディーガルは、国際色豊かな都市で、インドやアメリカ、欧州の建築家が設計したビルが建ち並んでいる。この街に生まれたアロンは、何かを夢見て実行すれば何でも実現可能だと思うようになった。

アロンの父親は、彼をデリーのインド工科大学で学ばせた後、米国で勉強を続けるよう勧めたという。その後、テキサス州ヒューストンのライス大学を卒業した彼は、シリコンバレーに移り、まだ社員数が600人以下だったグーグルに入社した。

グーグルでエンジニアとして頭角を現した彼は、2009年にスタートアップ企業Nutanixを共同創業しCTOを務めた後、2013年にデータ管理のスタートアップであるCohesityを立ち上げた。

Cohesityの出資元にはクアルコムベンチャーズやセコイア・キャピタル、ソフトバンクなどが名を連ねている。アロンによると、データの成長は爆発的に進んでいるが、その一方で断片化が問題になりつつあるという。

Cohesityはあらゆる形態のデータを一元管理するプラットフォームの役割を担っている。同社の顧客には、ハイアットホテルチェーンや大手製薬会社のノバルティスなどがあり、先日はアマゾンのAWSとの提携をアナウンスした。

事業が軌道に乗った今、アロンは今後の会社のオペレーションの要となる、ビジネス系の人材の採用に注力している。「私にとって、私と同じタイプのテクノロジー系の人材を採用することは、比較的簡単だが、ビジネス系の人材探しは全く異なるチャレンジだ。様々なルートから候補者を探している」

アロンは困難に直面する度に、自分のルーツを振り返るという。「私が育った場所は、パキスタンから数時間の距離で、テロも起きていた。父は何度も悲惨な目に遭いながらも、失意の中から立ち上がり、私はそれを見て育った」

彼はライス大学の教授からも大きな影響を受けたと話す。「知識を得ることと、知識を生み出すことは別物だ。それが成長だ」という教授の言葉をアロンは胸に刻んでいる。

編集=上田裕資

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