2つめは、ドライブスルーでの買い物が広まる可能性だ。
ほとんどの大手小売店は、デリバリーに代わる手ごろな策として、オンラインストアで注文した商品を店舗で受け取れるサービスを提供している。この方法なら買い物客は、必要なときに必要なものを手に入れることが可能だ。
買い物客はじきに、特にショッピングモール内の店舗に対して、駐車場の車内であらゆる商品を受け取れるサービスを期待するようになるだろう。
従来型のショッピングモールのなかには、駐車場に専用レーンを用意し、買い物客がドライブスルー形式で注文品をピックアップできるようにするところも出てくるかもしれない。
米国のガソリンスタンド併設型コンビニチェーン「Wawa」は、初のドライブスルー店舗をニュージャージー州でオープンする予定だ。
3つめは、モバイル体験をより幅広いオーディエンス向けに最適化する必要があることだ。
スマートフォンを通じた売上は、感謝祭当日は総売上の46.5%、ブラックフライデー(11月27日)には40%を占めたことが、米アドビ・アナリティクスによる調査でわかっている。
スマートフォンで買い物をした人たちの中には、60代以上の人たちも多かったと見られている。新型コロナウイルスの感染拡大により、小売用テクノロジーに順応せざるを得ない高齢者が増えているのだ。
この流れが進めば高齢者は、より最新式で高機能のスマートフォンにお金を出すようになるだろう。つまり、モバイルを通じた小売販売が増えるということだ。
小売店側は、デジタル体験全体を、あらゆる年代層のニーズに合わせ、高齢者も閲覧しやすい配色や文字サイズに変えるべきだろう。
4つめは、「散財すること」に、人々が以前よりも抵抗を感じない可能性だ。
外食や家族の集まり、旅行、スパなどを我慢する日々がすでに10カ月近く続くなかで、機会があれば散財してもいいだろう、と感じる消費者たちが存在している。
お金を好きなように使いたいというこうした衝動は、バーゲン品を求める動きを減らす可能性がある。とはいえ、小売店は注意深くあるべきだ。買い物客たちはもともと、お買い得商品を探すことに慣れている。売上を効果的に得たいと考える小売店は、使用頻度は少ないが、楽しく機能的で、必ずしも生活に必要ではない商品、たとえばDNA検査キット(ペット用のキットも急増しており、飼い犬も検査できる)やスマートウォッチなどを積極的に宣伝すると良さそうだ。