ビジネス

2020.11.27 12:30

東京のど真ん中で製造業の進化を体感 「スマラボ東京」から見えてきたスマートファクトリーの可能性


製造業のDX化ムーブメントを巻き起こしたい


日本の製造業を再生させるために「Team Cross FA」を立ち上げた天野からすると、スマラボ東京は製造業復権という山の1合目にあたるという。2021年にオープン・稼働する最新鋭スマートファクトリーは2合目となる。果たして頂上までに何を仕掛けるのか。今後の展開について、天野はこう語った。



「大きく加速するのは来年の今ぐらいだと想定しています。スマラボ東京には具体的にスマートファクトリーの導入を検討している企業はもちろん、政治家や官僚など、政策や方向性をたてられる方もどんどん集まっています」

2021年1月7日には、大規模な製造業オンラインフェスの開催を予定しているという天野。フェスの参加者に製造業の面白さを知ってもらった上で、春に南相馬のスマートファクトリーが起動すれば、フェスで盛り上がったものを実際に見たり、日比谷と行ったり来たりができると今後の展開を語る。

「1年後には、リアルなスマートファクトリーの案件が具現化すると思います。その頃には、本当にスマートファクトリー化を進めないといけない、と各社一斉に動き出すことになるでしょう。おそらく1年か1年半で大きく変わると思います」

スマートファクトリーを起点に、製造業のDX化をダイナミックに進展させ、ムーブメントにしたいと熱く語る天野。「特に私と同世代、または上の世代に奮起して欲しい。経験豊富な大人が本気にならないと変わらない」と、40代より上の世代の“決起”を促す。

「日本の良さは技術だけじゃない。文化風土も含めた、ものづくりに対しての親和性が高いのも素晴らしいところです。あらゆるファクトリーオートメーション、リアルとデジタルとセットにして、全部のノウハウを蓄積しているのが日本の製造業です。この強みを生かして、グローバルの中での外貨獲得競争力をつけていきたい。私がこの領域にこだわる理由はそこにあり、日本の未来を明るく照らしていけると信じています」




天野 眞也(あまの・しんや)

FAプロダクツ代表取締役会長/日本サポートシステム代表取締役/ロボコム代表取締役/ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役

キーエンスでグループ責任者、営業所長のポジションを経て社長の直轄である海外営業・重点顧客プロジェクトの初代リーダーに抜擢。1兆円を超えるグローバル企業を相手に営業を仕掛ける。40歳で独立を決意し、FAプロダクツの前身であるFAナビを立ち上げ、代表取締役社長に就任。2020年9月にショールーム「スマラボ東京」をオープン、2021年5月には福島県南相馬に「ロボコム・アンド・エフエイコム 南相馬工場」がオープン予定。

文=石澤理香子 写真=奥西淳二

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