経済産業省の「ものづくり白書」によると、製造業は日本のGDPの2割弱を占める基幹産業だが、最近では海外との価格競争や一部業種における競争構造の変化など様々な要因が重なりGDP比率は低下している。また、生産拠点の海外移転の流れは日米欧ともに進み、アメリカやドイツなどデジタル化による製造業の競争力強化の動きもあって、国内製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への流れはもちろん、DXに適応した人材育成も、もはや待ったなしの状況だ。
スマラボ東京を運営する「Team Cross FA」プロデュース統括の天野眞也に、スマラボ東京を作った狙いとは、そして今後の展開について尋ねてみた。
日本生まれのスマートファクトリーを外貨獲得産業に
製造業のDXを体感できるスマラボ東京は、デジタルとリアルを融合した各種デモ機を展示し、スマートファクトリーのショールームとしてオープンした。
館内には機能別に配置された生産工程を自律制御によって最適生産を実現する「次世代DXコンセプトライン『DX型ロボットジョブショップ』」や、従来自動化が困難と言われていた、千切りキャベツのような不定形食材を自動定量でピッキングする「AI食品ピッキングシステム」などを展示。
また、巨大スクリーンを使って、デジタル技術とデータの利活用を可能にする、DXを取り入れた未来の工場システムなども学ぶことができる。
ロボットSIerが主体の「Team Cross FA」が提供するマルチメーカー&最適化ソリューション展示の場であり、経営に直結するインダストリアルな課題の発見を通じた、DXのきっかけの場でもある。