「日本一のポイントガードになって、オリンピックで日本代表として世界の舞台に立ちたい」
19歳が描く夢として過大とは思わせない、それが現実的であることが河村勇輝の言動からは伝わってくる。福岡第一高等学校では全国大会のウィンターカップで2連覇、大学進学までの3カ月はB1リーグ三遠ネオフェニックスでプロの世界を経験。11試合出場で新人ベスト5に選出され、自信と課題をもって、東海大学へ進学した。
目標までの道のりを逆算して物事をとらえる才能が河村にはある。プロを経験することで見えた課題と通用する部分。172cmという身長は「スピードを生かしたプレイ、俊敏性を伸ばせばいまよりさらに幅のある選手になれると考えています」と話す。
河村が担うポジションは「コートの中の監督」と呼ばれるポイントガードだ。コミュニケーションや戦術を誰にでも臆することなく伝えることが求められる。コート外でも積極的に先輩や後輩と会話するよう意識しているという。
海外で活躍する日本人バスケットボールプレイヤーも増えているが、河村にとってはNBAもひとつの選択肢。「オリンピックなら、普段あまりバスケットボールを見ないたくさんの人に、自分が頑張ることで元気や希望をもってもらえる。そんな舞台はなかなかない」と、あくまでも見据えるのは自分の足元だ。
かわむら・ゆうき◎2001年生まれ。6歳でバスケットボールを始めて以来、一貫してポジションはポイントガード。Bリーグ(B1)史上最年少出場、最年少得点の記録(18歳8カ月23日)を更新した。チーム掌握力、そして戦術理解力の高さに定評がある。