・実績のある方法論:実績のあるアプローチと構造化された話し合いの場があれば、ハブがその能力を素早く認識し、活用することができます。Scale360°が採用している戦略的で協議に基づくアプローチは、エコシステム固有のニーズに合ったソリューションを開発し、コンセンサスを得るのに効果を発揮します。
Scale 360°のように、エコシステム内の意思決定者を動かすことができれば、その地域で影響力のある人物からの支援も約束されます。これにより、新しいイニシアチブへの支援が強化され、リソースを素早く投入できるので、確実な成果が期待できます。
・スケーラビリティを重視:スケーラブルなアイデアは、「支援と継続」の両面でチャンスを最大化します。調査の結果が示す通り、中小企業のほとんどは道半ばで頓挫し、企業規模を拡大させることができません。スケーラブルなビジネスは、経済的なインパクトが特に大きく、雇用や価値創造にも貢献します。堅調で今まさに成長中の企業は、他の投資家や起業家の目に留まりやすく、エコシステムをさらに活性化させることができます。
スケーラブルなアイデアにターゲットを絞ることで、初期の段階から企業に「循環性」の概念を組み込み、ビジネスの収益性と持続可能性を両立させることができます。こうした要素を考えて作られたハブなら、循環性を核に組み込んだ、レジリエンスの高い企業を生み出せるでしょう。
・創造性:どんな画期的なプラットフォームも、創造性がなければ、新しいソリューションを生み出すことはできません。創造性を確保するためには、さまざまな地域にハブを設置し、幅広い専門知識とアイデアを活用する必要があります。多様なステークホルダーや実績のある方法論といった要素と合わせれば、Scale360°のようなイニシアティブが真のイノベーションを生む日も近いでしょう。
「Scale360° Playbookの素晴らしい点は、遊び心と創造性があって、お互いに協力できる雰囲気が自然と生まれることです」と、スタンフォード大学土木・環境工学科のウィリアム・マクダナー准教授は語ります。
「誰もがPlaybookを使いたくなるはずです。新しい思考や新しいアクションを生むだけでなく、楽しく、生産的で、有益なコラボレーションへの扉を開いてくれるからです」
サーキュラー・エコノミーにおける数々の重要概念を提唱したマクダナー氏は、「未来のソリューションを過去の問題に適用できるなんて、刺激的です」と述べています。
未来に向けた変化を
年次報告書「サーキュラリティ・ギャップ・レポート」によると、2019年の世界経済のサーキュラリティ(循環性)はわずか8.6%。2020年の現状が示すように、変化というのは私たちが想像もしなかったスピードで起こり得るのです。
より良い未来を目指して、変化を起こしましょう。新たな連携を構築し、すみやかに人材を集結させれば、大規模で難しい課題にも取り組むことも不可能ではないと、私たちは知っています。Scale360° Playbookのようなツールは、コミュニティがつながり、世界中に存在する変化や創意工夫を求める意志を活用するためのルートを作ってくれます。力を合わせて取り組むための道が示されれば、世界は変わるはずです。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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