チリでトップ企業の半数が参加するグループ「SOFOFA Hub」のエグゼクティブディレクター、アラン・ガルシア氏は、「サーキュラー・エコノミーへの移行には、強い意志とテクノロジーに加え、企業、イノベーター、政府機関の連携が不可欠です」と述べています。
循環性を完成させるには、長期的な視点に立った新しい設計も求められます。形ばかりのハッカソンや、どこかで見たようなイノベーションのやり方では、ソリューションをスケールアップさせるには不十分で、現在の「資源の投入、生産、廃棄」のモデルから脱却することはできません。循環型ソリューションを目指す市場を育成する政策、金融機関からの支援、有力な買い手や市場関係者へのアクセスが必要です。
言い換えれば、サーキュラー・エコノミー・イノベーションの活発なエコシステムを作る必要があるのです。これが実現しない限り、サーキュラー・エコノミーのイノベーターが、規制の壁を破り、市場の需要をひねり出すことなどできません。
世界経済フォーラムは、このような観点から、サーキュラー・エコノミーの持続的なエコシステムを構築し、ソリューションを広げていくためのイニシアティブである「Scale360° Playbook」を生み出しました。
エコシステムに働きかけるこの独自のアプローチは、今年9月に始動し、サーキュラー・エコノミーに重点を置くよう設計されています。さらに、世界中から集結した新進気鋭のイノベーターたちは、世界経済フォーラムのオープン・イノベーション・プラットフォームであるアップリンク(UpLink)を通じて、アイデアとソリューションを共有し、協力しながら問題に取り組んでいます。
Scale360°の中心理念は、持続可能なビジネスのためのハブ構築に必要なものを表しています。
・多彩なパートナー:Scale360°は、多様なパートナーから知見を得ることの重要性を理解し、金融機関、ビジネスリーダー、非営利団体、政策立案者で構成される分散型パートナーシップハブを構築。さまざまなイノベーターをつなぐ架け橋となります。
「Scale 360° Playbookが持続可能なソリューションに取り組むコミュニティに幅広く活用されることを期待しています」と、グローバルな持続可能性に向け優れた成果を上げる事業の特定、開発、投資を行う企業、グローバル・アライアンス・フォー・サステナビリティのCEOであるシャイハ・シャマ・ビント・スルターン・ビン・ハリーファ・アール・ナヒヤーン妃殿下は語ります。「現在のリニアモデルを見直しグローバルなサーキュラー・エコノミーの構築に取り組む上で、重要なツールとなるでしょう」とも述べています。