11月10日のブルームバーグの報道によると、ニューヨーク本拠のベターコムは、コネチカット州グリニッジ本拠のプライベートエクイティL Cattertonの主導によって2億ドルを調達したという。さらに、アメリカン・エキスプレス・ベンチャーズやAlly Financial、Activant Capital、9Yards Capital 、Ping An(中国平安保険)なども出資に参加した。
2014年にVishal Gargが設立した同社は、銀行などの伝統的な住宅ローンの供給元よりも迅速で合理的なローンの審査プロセスを売りとしている。ベターコムはわずか数分で事前審査を行ない、本審査を数日間で完了させる。同社は今から約1年前の資金調達の際に、6億ドルの評価を受けていた。
ベターコムは、フォーブスが革新的なフィンテック企業50社を選ぶ「フィンテック50」リストに2018年に選出されていた。創業者のGargは、7歳のときに家族と共にインドからアメリカにやってきた移民だ。彼がこの分野で起業を思い立ったのは、2012年に妊娠中の妻と購入を希望していた家があったが、非効率な住宅ローンシステムのためにチャンスを逃し、悔しい思いをしたからだという。
Gargは、スポティファイでエンジニアリングマネジャーを務めたErik Bernhardssonをチーフ・テクノロジー・オフィサーに招き、ベターコムを始動した。
ベターコムは、政府の低金利政策や新型コロナウイルスのパンデミックから生じた、住宅ローンの借り換え需要の高まりの恩恵を受けている。投資家は、市場が一時的に減速しても、同社が成長を維持できると見込んでいる。
ベターコムは事業規模を拡大させ、住宅ローン市場でより大きなシェアを獲得しようとしている。この分野の大手のRocket Mortgageは今年8月に上場し、創業者のDan Gilbertの保有資産は一挙に330億ドル分も増加した。フォーブスは現在のGilbertの保有資産を450億ドルと試算している。