フィラデルフィア本拠のGoPuffは、今から約1カ月前にビジョンファンドやアクセルなどから3億8000万ドルを調達し、企業価値は39億ドルとされていた。2013年創業の同社の累計調達額は約14億ドルに達している。
GoPuffは今後、これまで存在感を示せていなかったカリフォルニアやアリゾナ、ワシントン州で足ががりを築いていくことになる。同社は今後、BevMo!の161カ所の店舗を配送拠点として活用し、アルコールやスナック菓子、日用品などを30分以内に顧客の家に届けることを目指している。
今回の買収の大きなメリットは、酒類の販売ライセンスを迅速に入手できる点だ。日用品のデリバリー分野で、アルコールは最大の売れ筋となっている。GoPuffは以前、自社でライセンスの取得を行おうとしたが、地元の当局の対応は遅く、拒否されるケースも頻発していた。
同社は現状では、営業地域のほぼ半数のみでしか酒類を販売できていない。
2013年に大学生たちが創業したGoPuffは当初、深夜にジャンクフードを学生に届けるサービスだった。その後、500都市で3000アイテムを販売するようになった同社は、アイスクリームやビール、風邪薬や頭痛薬、洗濯用洗剤などを30分以内に、2ドルの配送料で届けるサービスとして支持を獲得した。
昨年の売上は約2億5000万ドルと試算されているものの、現状では黒字化を果たせていない。
この分野にはアマゾンやドアダッシュ、ポストメイツなどの大手の参入が相次ぎ、非常に厳しい競争環境となっている。GoPuffは当初、大学のキャンパス内をサービスエリアとしていたが、現在は大学キャンパスの売上比率は20%程度となっている。
BevMo!は現状ではプライベートエクイティのTowerBrook Capital Partners傘下にあり、ワインやビール、タバコなどを主力アイテムとしている。買収手続きは、今後の30日程度で完了する見通しだ。