さらにもう一つのメリットは、「合併だから、何でも交渉できる」という点にあるという。「スポンサーの出資比率を20%ではなく5%にするようにも交渉できる。株価が一定の価格以上になった場合にのみ、5%の配当を得るという条件も設定可能だ」と彼は話した。伝統的なIPOでは、このプロセスはもっと定型的なものになる。
SPAC上場を行う企業は、より多くの資金を調達するために、同時にPIPE(上場会社による私募増資)を利用するケースも多い。例えばSPACが2億5000万ドルを調達する場合、そのSPACがターゲット企業と合併する前に、大口投資家のグループがPIPEを通じてさらに2億5000万ドルを投資することができる。
一部の人々は、伝統的なIPOのほうがSPACよりも格式が高く、名誉があると考えている。しかし、ワンドは次のように話す。
「格式が高いことは素晴らしい。しかし、私に言わせれば上場してから3週間経てば、その企業がどういうやり方で上場したのか気にする人は居なくなる」