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2020.12.09 16:00

ブランド認知を広めるには?スタートアップらしい「発信方法」

スモールビジネスオーナーの知られざる武器──それは、数々の困難を乗り越えてきた人間力です。彼らが対峙してきた問題や経験を分かちあえば、きっと、新しい課題の解決につながるはず。

Forbes JAPANとアメリカン・エキスプレスはタッグを組み、日々奮闘するスモールビジネスオーナーの皆さんと共に「お悩みピッチ」を開催しました。それは業界や年齢を超え、経営者同士で日々の課題を共有し、共に解決策を模索する場です。

今や、スモールビジネスオーナーの数だけ悩みがあれば、その数だけ知恵もある。皆で手を取り合い、共に前を向いて進むためのムーブメントをここから起こします。


第4回の「お悩みピッチ」は、引き続き、創業3年目以内のスタートアップ起業家・経営陣の皆様にお集まりいただきました。お悩みは、オンライン会議が急増した昨今、世の男性たちから注目を集めているという商品のブランド戦略。お助け隊も自身の経験をふまえ、売りにつながるアイディアを次から次へと生み出します。

お悩み「商品のブランド認知を広めるには?」




今回のお悩み人は、株式会社Anylogの小掠康浩さん。食べることが大好きで、過去にはオニオンリングのマニアとしてテレビ番組にも出演したというユニークな人物です。そんな小掠さんのビジネスは「IYVO」というメンズオーガニックコスメの製造・販売。肌にも環境にもやさしく、一生使い続けられる化粧品だと胸を張ります。

小掠さんに追い風なのは、オンライン会議が普及したこと。会議中、画面に映し出される自分の顔が気になり、コスメ用品でケアする男性が増えているそうです。そうは言っても、まだまだ新規開拓中の業界。男性同士では口コミが広がりにくく、小掠さんのブランドも売上が横ばいのまま。

起業してから、すべてを一人で担っているため、商品のPRやマーケティング戦略も自分で考えねばなりません。広報未経験の小掠さんでも、どうすれば商品のブランド認知を広めることができるのか。

お助け隊は、ブランドからの「発信方法」をポイントとして、3つのアイデアを出しました。

1.メディアが取材したくなるストーリーづくりで、メディア露出を獲得する
2.商品を“コアなワンワード”で表し、強力な発信者と結びつく
3.SNSを駆使して接点を増やし、時には自分を発信源にする

メディアが取材したくなるストーリーづくり


お助け隊の一人目は、HARTi代表の吉田勇也氏。アートを軸にした新しい経済圏の創造に取り組んでいる吉田氏の会社は、昨年の創業から半年も経たぬうちに、注目のスタートアップ企業として有名ビジネス誌やドキュメンタリー番組に数多く取り上げられました。その仕掛けについて驚きの事実を明かします。

「はじめの頃は具体的なプロダクトがないので、会社の設立そのものがニュースになることを目指しました。取材されたいメディアを全部リスト化し、それらのメディアがどんな企業をどんな内容で取材しているか研究し尽くしたんです。

その結果分かったのは、メディアが求めるストーリーには、その会社が社会にとってどんな意義を持つかが分かる『社会軸』と、社長自身の人物像や理念が分かる『社長軸』の2軸があること。僕たちも、どちらの軸にも答えられるストーリーを色々と用意しておいて、メディアが興味を持つよう仕掛けたんです」



吉田氏のストーリーがメディア露出に成功した裏には、地道な努力と巧みな戦略がありました。膨大なメディア研究の末、練り上げた独自のストーリーはプレスリリースとして発信するだけでなく、インフルエンサーや著名人を引き込む際の口説き文句にも活用したそうです。

商品を一言で説明できる“コアなワンワード”をつくる


お助け隊二人目は、サステナブル・ラボ代表の平瀬錬司氏。平瀬氏の会社では、サステナブルな社会をより良く実現するために、企業のSDGsの費用対効果や貢献度を定量化しています。平瀬氏も吉田氏と同じく、社会が求めているものに対して常にアンテナを張り、企業として答えを用意しておくことが大事だと答えました。

特に、平瀬氏の事業分野であるSDGsの取組みは、企業なら強い関心を持つテーマ。SDGsを媒介にして、強い発信力をもつ大手企業とタッグを組むこともスタートアップ企業が注目されるための手段だと言います。

「スタートアップだからこそ、メジャーなメディアや企業という『巨人』の肩にのっかることができる。では、自分がどの巨人にのっかりたいか。どうすればのっけてもらえるのか。そこから逆算して、尖ったワンワードを設定しておくと、ブランドや商品の立ち位置をより明確にすることができます」

例えば、と平瀬氏は説明します。

「『環境にやさしい』コスメを『プラスチックを減らす』『CO2を減らす』など、ちょうど良い粒度にして的を絞れば、同じ問題に向き合っている企業と組みやすくなる。小掠さんのコスメブランドにも問題意識が同じで競合業種でもなく、かつ有名企業という組み先が必ずいるはずです」



業界もビジネス形態も異なる平瀬氏ですが、小掠さんのお悩みには深く共感できるそう。スタートアップ業界で戦う者として、さらに熱いアドバイスが続きます。

「我々スタートアップは挑戦者、弱者ならではの手法を取らなければなりません。戦い方も潤沢な資金や人材を必要とする正攻法より、ゲリラ作戦が必要なんです」

SNSを駆使する


アパレルブランドAyのCEO村上采氏は、今回のお助け隊の中でも最年少社長。現役大学生でもある彼女は、地元のおばあちゃんたちと協働し、伝統織物を現代のファッションに作り変えるという斬新な服作りに挑戦しています。今年6月に設立したばかりのAyも、ソーシャルネイティブ世代らしい柔軟な思考と手法でブランド認知を広めている最中です。

「やはりSNSでの発信は欠かせません。インスタグラムではハッシュタグや写真の質にこだわっていますし、Twitterからも時々、取材依頼がくるのでコツコツ投稿する重要性を実感しています。あとは、どんな小さなイベントでも顔を出します。オンラインでもオフラインでも人との接点を増やしていくことを大切にしています」



ブランド認知のために自分自身がメディアへ出ることもあるという村上氏。社長が表に立つことも手法の一つだと提案します。

「最初は、『女子大生』という面ばかり注目されることに違和感がありましたが、今は自分自身の強みだと捉えて発信するようにしています。おかげで、知り合いのツテもあり、起業してすぐに若者向けの女性誌に取り上げてもらえました」

お悩み人の小掠さんも、実はテレビ出演経験があるほどのマニア知識を持つ個性豊かな人物。自身の強みを活かして話題作りができそうだと、ファシリテーターを務めたForbes JAPAN コミュニティプロデューサーの井土さんも太鼓判を押しました。

そして、白熱するアイディア出し大会へ


お助け隊四人目は、Stake Technologies代表の渡邉創太氏。渡邉氏の会社は、日本発でブロックチェーン技術を活かしたプロダクトの開発をしています。業界の中では、すでにその事業内容でエッジが立っており、技術の開発がそのままブランド認知を高めることにつながるそう。

業種の特性上、ブランド戦略に対する考え方やアプローチの仕方に大きな違いのある渡邉氏ですが、最近の若者としてはメンズコスメに興味津々。普段もメンズコスメを使っているという自身の経験から、商品を売るにはどうするべきかの切り口を提案しました。

「僕がメンズコスメを使いはじめたのは初回割引につられてですが、そういう購入のきっかけや、そこまでの導線をしっかり作るのも大切ですね。EC上でも、購入までに至るUIやUXを見直すとよいかもしれません」

この渡邉氏の発言をきっかけに、いかにして購入のきっかけを作るかのブレスト大会がスタート。なんと、お助け隊の男性社長全員がメンズコスメを使っていることも判明し、「自分なら商品をこう売る」と熱い議論が交わされました。



中でも、男性陣の発言を取りまとめた平瀬氏は「SDGsの測量士」というあだ名にふさわしく、男性の美容意識について次のように尺度化しました。

「女性は、より美しくなることを求めてケアを段々とレベルアップしていく印象ですが、男性の場合はケアするかしないかのゼロイチ。だからこそ細かい成分や効能の違いについて言うよりも、その商品を使うことが一種のライフスタイル提案となり、『あなたの人生を変えるんだ』くらいのオンリーワンのメッセージでゼロをイチにする必要があるかもしれません」

吉田氏も続けます。

「プロダクトがニッチなものほど大きな世界観をもっている方が、それまでの常識をひっくり返すような凄いものに見えますね。メンズコスメもプロダクトそのものを売るというより、世界観を作ることにチャンスがありそうです」

ひとりの発言を受けて次々と折り重なっていくお助け隊のアドバイス。小掠さんも必死でメモを取りますが、書くのが追いつかないと嬉しい悲鳴があがりました。その様子はまさに、起業家たちが手に手を取り合ったアイディアピッチ。お悩み人の小掠さんだけでなく、お助け隊にとっても異業種間で知恵を分かち合い、大きな刺激を受ける会になったようです。

Forbes JAPANとアメリカン・エキスプレスは経営者同士の助け合いが広がっていくことを心から願い、これからもサポートしていきます。


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お悩みピッチ記事一覧
CASE1|ビジネスをスケールさせる「三方よし」の知恵
CASE2|新しいカルチャーを浸透させる、「フックづくり」のポイント
CASE3|最良の人材を確保するスタートアップの知恵
CASE4|ブランド認知を広めるには?スタートアップらしい「発信方法」(本記事)

そう、ビジネスには、これがいる。
アメリカン・エキスプレス


【お悩み人】
小掠 康浩氏Anylog 代表取締役社長

【お助け人】
平瀬 錬司氏サステナブル・ラボ 代表取締役CEO
村上 采氏Ay CEO
吉田 勇也氏HARTi 代表取締役社長
渡邉 創太氏Stake Technologies CEO

【ファシリテーター】
井土 亜梨沙氏(Forbes JAPAN コミュニティプロデューサー)

Promoted by アメリカン・エキスプレス / Text by 井土亜梨沙 / Illustration by 中尾仁士(DCRX)