「僕自身も、グローバルはずっと意識しています。TikTokを運営するByteDanceは、Gunosyと同じ考えで経営をしています。TikTokと並ぶ彼らの主力サービスToutiaoは、中国版Gunosyのようなニュースアプリなのですが、時価総額はユニコーンの中で最高だと言われている。上場するときには、10兆円以上でIPOすることが確定していたような企業です。
同じ時期に同じ思想で始まった企業と、自分がはじめたGunosyにこれだけ差がついていることに、僕は経営者として強烈な悔しさを感じていますし、グローバルという視点は絶対に意識しないといけないと考えています」
福島は、他に目標にする企業として、ZOOMを例に挙げた。創始者である袁征(Eric S.Yuan)は、中国からアメリカに渡ってビジネスをはじめた人物だ。就労ビザすらなかなか下りないところから挑戦をはじめ、幾度も起業を失敗したうえで、ZOOMを成功させた。
「アメリカには彼のように、絶対にグローバルサービスを作るんだという信念で挑戦している起業家が何十万人、もしかしたら何百万人もいる。だから、起業家が何人いたとしてもその中に1人は絶対に成功する人が出てくるんです。
起業家だったら、成功する幸運なひとりは自分だという、不遜というか、根拠のない自信を持ってトライする。そんなマインドで挑戦しないといけないんです。僕もまだ若いですから、世界規模の挑戦も諦めていません」
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福島良典◎東京大学大学院工学系研究科卒。大学時代の専攻はコンピュータサイエンス、機械学習。2012年大学院在学中に株式会社Gunosyを創業、代表取締役に就任し、創業よりおよそ2年半で東証マザーズに上場。後に東証一部に市場変更。 2018年にLayerXの代表取締役CEOに就任。 2012年度IPA未踏スーパークリエータ認定。2016年Forbes Asiaよりアジアを代表する「30歳未満」に選出。2017年言語処理学会で論文賞受賞(共著)。2019年6月、日本ブロックチェーン協会(JBA)理事に就任。