「インターネットにおける次の大きな発明はなんだろう? と考えたとき、僕は“価値が乗ること”だと考えたんです。情報は、いまインターネット上に溢れていて、そこに価値があるように捉えられがちですが、実はそれ自体には価値はありません。
実際に100億円相当の高額な取引の契約書も、いまだに紙でやりとりされていますよね。多くは安全のためです。ですが、今後本当に価値が乗った情報にデジタルでも信頼性をもたせるため、またはそういった情報をインターネット上で扱うために、ブロックチェーンという技術があります。そこが面白いと感じて、ビジネスとしてしっかりやっていこうと考えたのがLayerXを立ち上げた理由です」
技術開発が進み、大手企業や政府機関がブロックチェーンを活用した取引を行うにつれて、ブロックチェーンを起点にした法律の整備が進んでいる。経済活動がデジタル化していくなかで、暗号化、データベース、電子書類、さまざまな技術の組み合わせでインターネット上の経済活動に価値が生まれてくると福島は考える。
やっていれば分かってくる
Gunosyの成功で満足することなく、次の挑戦をはじめている福島。そんな彼はエンジェル投資家としても多くの起業家や経営者との接点を持っている。「優れている」と感じる経営者はどのような人物なのか。
「ぶれない人ですかね。起業家になるような人って、好奇心がとても強いと思うんです。でも、事業ってひとつのことをやり続けることができる、職人気質的な部分もどこかで必要で。そういう意味で、メリハリを上手にとることができて、フォーカスするときはそこだけに注力するという集中力がある人こそ、一流の経営者だと思います」
多くのスタートアップが生まれ、情報も溢れている。
「僕が起業したとき、情報なんて何もなかった。でもやっていれば分かってくるんですよ」と福島は言う。方法論や数字よりも重要なこととは、一体何なのだろう。
「これだけ情報があふれる時代だからこそ、あえて引きこもっていいプロダクトをつくる若い人はもっと出てきて欲しいです。現代では、それが1番の成功への近道なんじゃないかなとも思うんです」
「30 UNDER 30 JAPAN」の評価基準のひとつに「グローバルな活躍」という視点がある。今後起業を目指すとき、「グローバル」というキーワードはどう意識すればいいのだろう。