フロリダ州のACLU(米国自由人権協会)は他の21の団体と共に、大学の評議員会に宛てた書簡の中で、大学が学生のデモ活動参加者をどのように特定したかを明らかにするために、学生との公開フォーラムを開催するよう求めている。
大学側は、9月にキャンパス内で行われたデモに参加した学生を特定するために顔認識テクノロジーを使用したことを否定し、代わりに監視カメラの映像と「ベーシックな調査手法」を用いて特定したと述べた。
しかし、キャンパス警察署長のデビッド・リベロはフォーブスの取材に対し、彼自身は顔認識が「機能しない」と信じているものの、キャンパス警察が犯罪捜査の際にフロリダ州法執行局の顔認識ソフトウェアを使用していることを認めた。
非営利団体の「Fight for the Future」は、大学からの「相反する回答」に直面して、大学当局が顔認識テクノロジーの利用を禁止し、「明確なポリシー」を定めることを求めている。
顔認識によって特定された学生が処罰を受けることは無かったものの、彼らはプライバシーが侵害されたと感じているという。
「マイアミ大学は、彼らの不気味な監視行為に関する質問にどう答えるべきか苦慮している。彼らが独自の顔認識システム、もしくは、フロリダ州の顔認識データベースを使用していたことは明らかだ」と、Fight for the Futureのオーガナイザーの一人は述べている。
UCLAやMIT、ハーバード大学を含む60以上の大学が既に顔認識テクノロジーの使用禁止に踏み切っている。一部の批評家らは、顔認識技術は信頼性を欠いており、悪用される可能性があると指摘するが、顔をスキャンして入室を認めたり、支払いを行うなど、キャンパスをより安全で便利にする効果も期待されている。
しかし、研究によると顔認識アルゴリズムは肌の色が濃い人を識別するのが難しいとされている。
そんな中、顔認識テクノロジーの利用を認め、その導入を促進している数少ない大学の一つとして知られるのが、南カリフォルニア大学だ。同大学では、入室の際に顔認識を用いており、不審者が学生寮に立ち入ることを防いでいる。