今年の受賞者のひとり、現在23歳のプロサーファー、五十嵐カノアは「環境も才能のひとつ」という言葉を地でいく人物だ。
プロサーファーとしてカリフォルニアへ移住した日本人の両親を持ち、3歳からサーフィンを始めた五十嵐は、6歳ではじめてローカルコンテストに出場し、キッズクラスで優勝を飾るという華々しいデビューを果たす。
この活躍に注目したアマチュアUSAコーチにより史上最年少の9歳でUSAチームに加入。11歳で全米アマチュアサーフィン連盟の最多優勝記録である30勝の記録を打ち立てる。
五十嵐は日本人の誰も通ったことがない道を突き進む。19歳で日本人として初めて2016年のチャンピオンシップツアー参戦資格を獲得し、さらに技術に磨きをかけている。
なぜ五十嵐はここまで急速に成長することができたのか。
幼少期からサーフィンに親しんでいたこと、プロサーファーである親の影響、そして幼いころからアメリカのプロにもまれて鍛えられたという、生まれもっていた環境だけではなく、多くの専門家が指摘するのは学習能力の高さだ。
高校は15歳で卒業(2年飛び級)し、ポルトガル語、英語、スペイン語、フランス語、そして日本語の5カ国語を使いこなす。
スピードや技術の難易度、そして創造性で評価されるサーフィンという競技において、類いまれな五十嵐の才能はこれから何を見せてくれるのか。2020年東京オリンピックで正式種目に採用されたこともあり、五十嵐の活躍にはさらに注目が集まっている。
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いがらし・かのあ◎1997年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。プロサーファー。日本初のチャンピオンシップツアー出場者であり、2019年には、同大会アジア人初の優勝を遂げた。同年世界ランキングは6位。木下グループ所属。