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都心のオフィス街を走り抜け、首都高速へ。軽快に走るJohn Cooper Works。英国生まれの名車MiniのDNAを受け継いで現代的に生まれ変わったMINIのなかでも、「John Cooper Works」の名を冠したハイパフォーマンスなシリーズだ。元アスリートが運営する、機能性とデザイン性を追求したスポーツブランド・テンシャル代表取締役の中西裕太郎はこのクルマになにを見出したのか。


止まれる。だから走れる。カーブが連続する首都高速では、コーナーを曲がると突然混雑していることがしばしば起こる。

力強く路面を蹴り、カーブを軽快にクリアしていくThe MINI John Cooper Works Clubman。その眼前に突然渋滞の最後尾が現れた。動から静へ。ぎゅっと踏まれたブレーキペダルの操作に反応したクルマは、危なげなく速度を落とす。

「きれいにブレーキが効きますね。少し強めに踏んだつもりでしたが、前につんのめるような感じがまったくありません。驚きました」


軽快にThe MINI John Cooper Works Clubmanを走らせる中西。意のままに、ときには想像を超えたパフォーマンスで応える車に、表情には笑みも浮かぶ。

テンシャル代表取締役の中西裕太郎が目をみはる、John Cooper Worksの運動性能。この車が高い性能を持つに至ったストーリーは1952年まで遡る。当時、4人乗りのファミリーカーとして誕生した英国生まれのClassic Miniは、そのポテンシャルに目をつけた伝説のエンジニアの手によりドラマチックな変貌を遂げることになる。

挑戦心と成功の意欲を備えた伝説のエンジニア


挑戦心に満ちたそのエンジニアの名前は、ジョン・クーパー。パワフルなエンジンへと換装し、制動力の高いブレーキを装着、足回りのサスペンションを強化した。すると、小型で軽量のボディ、俊敏なハンドリングを備えたマシンはレースの世界を席巻する、最強のラリーカーへと変貌した。並み居る強豪を圧倒する小さなClassic Miniの活躍は世界に報じられ、多くの人がそのクルマの存在を知った。

やがて2001年に、MiniがBMW Groupに参画し、MINIと表記を変え新しいスタートを切った。そしてジョン・クーパーの名もまた、最高峰のMINIを象徴するものとして受け継がれることとなる。それが、中西が運転しているThe MINI John Cooper Works Clubman。


伝説のエンジニアの哲学を受け継ぐ、最高峰のMINI。挑戦心の証としてのレーシーにデザインされた“John Cooper Works”のエンブレム。

レースという極限状況での挑戦を繰り返し、性能を高めた車が街を走る市販車になる。レースをしない一般のドライバーたちに、安全で、質の高い走りを提供することにつながる。この図式はそのまま、元アスリートだった中西が、テンシャルの事業の中核におくコンセプトと一致する。

強烈な挫折体験を、スポーツビジネスで成功する原動力に


テンシャルは2018年2月に創業したベンチャーだ。高校生のときにはサッカーでインターハイに出場するほどの実力の持ち主だった中西だったが、狭心症を患いサッカーを断念。卒業後にはプログラミングを学び、ベンチャービジネスの起業、リクルートでの新規サービス開発などを経て、テクノロジー×スポーツの領域におけるD2Cブランドとしてテンシャルを創業、グローバルブランドへの進出を目指している。

「実力でサッカーを諦めたんだったらまだ諦めがつきますが、病気さえなければまだやれたんじゃないかとスポーツに対しての強烈な不完全燃焼を抱えていました。そこでスポーツではないベクトルで自分を表現しようとプログラミングを勉強したり、ITの道へと進み、やがてスポーツのメディアを運営し、起業することにしました」

スポーツで強烈な挫折を経験した中西は、プレイヤーとして上り詰めることは断念したものの、スポーツの世界で違うかたちで自己表現をすることへと挑戦した。テンシャルの社名は「ポテンシャル」という言葉を語源とする。スポーツを通じてその人の可能性を引き上げるような仕事をしたいという思いを反映している。

「スポーツのメディアを運営していた理由が、世の中にはスポーツをやっている人しか評価できないグッズやギアがたくさんあることです。しかしその情報は、その運動を始めたい未経験者にはわからない。そんな情報のギャップを解決するために、スポーツ選手やトレーナーしかわかっていない情報を発信するメディアを作り、アスリートの知見を社会に還元したいと考えました」

いまでも継続しているスポーツメディア「SPOSHIRU」を運営する中で、ユーザーの反応から中西はあることに気づく。腰痛や肩こりという健康への関心が非常に高いことだ。その課題を解決するため、2018年9月から、テンシャルではD2Cブランドとして靴の中敷き、それも高機能なインソールを世に送り出す。人々が健康に暮らせる社会への貢献を掲げるテンシャルは、これまで累計で3.2億円の資金調達を果たしている。現在「SPOSHIRU」は月間180万PVの大きなメディアへと成長した。

「身体のことや健康への関心とリテラシーが高いアスリートやスポーツ関係者の知見、そしてメディアを通じて得られる社会のニーズをつなぎ合わせて、アスリートが知っている良いものを一般生活者に還元することを目標にしています。今年の6月には、スポーツウェアに使われる素材でマスクを作りましたが、これが非常に好評で、社会のニーズに応えることができたと感じています」

マスクは今年7月、8月にはそれぞれ1億円を売り上げたという。数字として結果が出たことよりも、社会に対して価値あるものを届けられた実感をつかめたことが大きいと中西は語る。

テンシャルでは、中西だけではなく多くのスポーツ経験者が働いている。コロナ禍のなかで急ピッチで進められたマスク開発のプロジェクトでは、彼らのポテンシャルが大いに発揮された。

「工場を開拓する人、商品のデザインを調整するデザイナー、商品ページを作る企画担当者や、それを売るマーケティング担当者、それぞれが自分の持ち場で結果を出して、売上も過去最高に出すことができた。スポーツでは結果を出してきた人間でも、ビジネスとなると萎縮してしまう人が多いんです。しかし、彼らが競技のなかで結果を出してきたことと同じスタンスでビジネスに挑むことで、努力のしかたや振る舞いも変わりビジネスでも結果が出して社会に価値を提供できる。それを証明したいと僕は考えていますし、このマスクのプロジェクトでは一つの結果が出たと考えています」


フルタイム四輪駆動のThe MINI John Cooper Works Clubman。街乗りはもちろん、悪路でも安定して走れる四輪駆動により、アウトドアでも高い走行性能を発揮する。

適材適所におかれた様々な要素が、自分の最高のパフォーマンスを出すことで会社全体で結果を出す。今日乗ったJohn Cooper Worksにも似たようなものを感じますね、と中西はいう。

限界に挑戦するなかで磨かれた、成功を目指す意思


強力なパワーを発揮するエンジン、そのパワーを受け止めて路面に伝えるタイヤと4輪駆動のサスペンション、かつてレースの世界で磨き上げられた最高のスペックを追求する哲学が反映されて、一台の車が高いパフォーマンスを発揮する。

「あの車に例えるとわかりやすいですね。もっと行こう、攻めようという要求に車が応えてくれるように、メンバーが自分の力を発揮することで結果へと繋がる。また、今日運転していて感じたことは、“攻める”ということを車が思い出させてくれたことです」

エンジン音やキビキビとした挙動が男心をくすぐり、一歩上に行こうという気持ちをかきたてる。「いい意味でやんちゃな心を思い出しました」といって笑う中西。

「仕事をしているとよくあるんです、この状況は進んでもいいのか?と考えることが。メンバーには力があるから、パワーを持って前に進むことはできる。でも前進することにはリスクも伴います。そのときに重要なことは、攻めても止まることができるのかということです。首都高速を走っていて強いブレーキをかけたときのことを思い出すんですが、John Cooper Worksは急制動でも車自体は静かに安心して止まることができた。ビジネスでも同様に、安全して止まることができるから、リスクを負っても挑戦することができるということは大きいことだと思います。前進してもコントロールできる精神的な安心感ですね」

John Cooper Worksの外装からもインスピレーションを感じたと中西は話す。ブリティッシュグリーンとレッドで織りなされたルックスは「大人っぽく洗練されたものを感じさせながらも情熱を感じる」もの。内装も黒で統一されていながらも、ギラっと輝きを放つ要素が織り交ぜられており男心をくすぐる。


大きなディスプレイにはクロームのトリミングやイルミネーションライトを配する。シックな黒の内装と五感を刺激する演出が、ドライビングの高揚感をかきたてる。

「刺激的ではあるんですが、クルマの挙動からは地面をしっかりと掴んで地に足がついている感覚を常に感じることができました。テンシャルのインソールでは、腰痛や肩こりの原因となる“浮き指”の改善の効果があるのですが、しっかりと地に足をつけていることの効果を、僕自身もJohn Cooper Worksから改めて感じました」

急ピッチで進められたマスク開発のプロジェクトでは、テンシャルの強みをあらためて感じたと中西は話す。

「モノ自体が良いものであることはもちろん大切なのですが、マーケティングのうまさで売り上げは変わってくるところがある。僕らはウェブメディアの運営を通じて蓄えた知見から、しっかりとウェブで売り切っていく力がある。それを改めて確かめることができました。“マスク おすすめ“で検索すると僕らのサイトの記事が最上位に表示されるんです。大手メーカーは開発力や認知度の高さはあるので、マスクを作りましたということは広くニュースとして伝わりますが、そこから販売へと繋げる部分では、僕らにもまだ戦える部分がある。これは大きな発見でした」

かつてレースを席巻したClassic Miniは、並み居る強豪に対して小型で軽量という車の特性を活かして立ち向かい、結果を出した。競合に勇気を持って立ち向かったエンジニアであるジョン・クーパーの名を冠したJohn Cooper Worksには、その精神が受け継がれている。


左右2本出しの95mmツインパイプ・スポーツ・エギゾースト・システム。スポーティーなルックスとともに、心地よく心を躍らせるサウンドを響かせる。

「テンシャルの中長期の目標として、大手のスポーツメーカーに勝つというものがあります。いまはインソールを中心としたD2Cですが、ウェルネスの領域から僕らはそれを叶えていきたい。そのためにいま必要なのはブランドとして認知されることだと考えています。マスクが好評だったことで、ブランドの認知が高まるとできることが広がる、そんな新しい景色を見たという学びを活かして、誰でも身体にいいものを手に入れられるという世界観を作り上げていきたいと思っています。価格を落としたライトモデルを発売したのも、より多くの人にインソールを体験してもらうためです」

心臓を患い、アスリートとしての道を断念したという挫折を経て、いまなお成長への意欲を持ち続ける中西。そこには、死を意識するほどの重い病気を経て得た、「自分が生きた証を残したい」という人生観があるという。4つのタイヤで地面を蹴り、そして突き進むJohn Cooper Worksの走る姿には、そんな中西の挑戦心と強い意思が映し出されているようだ。


中西裕太郎◎高校時代にはサッカーでインターハイに出場するほどの実力を持ちながら、心疾患によりプロへの道を断念。リクルートキャリアを経て2018年2月に元アスリートの創業メンバーとともにTENTIALを立ち上げる。メディア事業・D2C事業を通じて、スポーツ×テクノロジーの領域でスポーツウェルネスの文脈で人々の健康と幸せを後押しすることを目指している。


The MINI John Cooper Works Clubman


最高出力306HP、最大トルク450Nmを出力する2.0リッター、4気筒ツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。MINIの標準より10mm低く設計されたスポーツ・サスペンションなど走る楽しさを凝縮したマシン。Normal,Green,Sportsの3つのドライビングモードを瞬時に切り替え、環境に配慮した街乗りからアグレッシブな走りまでを体験することができる。車両本体価格 ¥5,710,000から(消費税込み)


シートアレンジによっては最大1250Lの大容量を誇るラゲッジスペースには、観音開きのドアを開いてアクセス。2枚のドアパネルを採用したことにより、軽くドアを開けることができる。たくさんの荷物を積むことができるワゴンタイプで、さまざまなシーンで活躍する。


大人5人が余裕を持って乗車できる広い車内。John Cooper Works専用のスポーツシートは、ドライバーの身体をしっかりと支え、快適なスポーツ走行にも対応する。


深いレベルグリーンに、チリ・レッドをコントラストカラーとして配した個性的なルックス。愛車のドアを開ける前から心を刺激するデザイン。


John Cooper Works専用に設計されたホイール。専用の4ピストン・ブレーキ・キャリパーが制動力を発揮。チリ・レッドのキャリパーにも“John Cooper Works”のロゴをオン。


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▼特集 Forbes JAPAN x John Cooper Works


#1公開中|一度は走ることをやめた。ラントリップ大森英一郎がランニング分野で起業し、再び高みを目指す理由
#2本記事|データとアスリートの知見を活かし、ビジネス領域に挑戦する元アスリート集団。テンシャル中西裕太郎の挑戦



<着用アイテム>
ライダース¥120,000/トゥモローランド(トゥモローランド☎0120-983-522)、パンツ¥55,000/ロータ(トゥモローランド)、タートルネックニット¥31,000/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー☎03-5784-1238)、スニーカー/スタイリスト私物

Promoted by MINI / photographs by 早坂直人(Y's C)/ styling by 井田正明 / text by 青山鼓

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