コロナ対策の成功で支持率を急上昇させているジャシンダ・アーダーン首相は10月5日、「ニュージーランドは再び、ウイルスとの戦いに勝利した」と宣言した。
人口480万人のニュージーランドの大半は現在、封じ込め成功を意味する「レベル1」の段階にある。大都市のオークランドはこれまでやや警戒度が高い「レベル2」だったが、7日以降はレベル1に引き下げられることがアナウンスされた。
オークランドではこれまで集会人数の上限が100人とされていたが、7日からその制限が撤廃され、バーやレストランでの社会的距離の義務づけも廃止される。
ニュージーランドは5月末にコロナウイルスの根絶に成功したと考えられていたが、8月に人口150万人のオークランドで市中感染が再発。約3週間にわたりロックダウンが行われていた。オークランドは8月中旬からレベル3の警戒レベルに置かれ、人々は急ぎの仕事などを除いて、自宅に留まるよう求められていた。
米国のジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、ニュージーランドでのコロナ感染者数はこれまで累計1855人で、死者は25人となっている。
ニュージーランドのコロナ対応は、感染拡大の第2波を迎えつつあるその他の諸国とは対照的だ。同国の対応を成功に導いたのは、迅速なロックダウンや、検査体制の強化、指導者からの明確なコミュニケーションだ。
米国はこれとは真逆のアプローチをとった結果、現在までに約740万人が感染し、21万人が死亡している。さらに、トランプ大統領は陽性反応を示して病院に送られた後ですら、人前に姿を見せている。
また、一部の国は夏の始めに制限を解除した後、再び感染者数の増加に直面し、2回目のロックダウンに踏み切っている。その一例にあげられるフランスでは、10月4日に1日当たりの新規感染者数が過去最多の1万7000人に到達した。当局はパリを最高レベルの警戒体制に置きつつ、レストランやバーを2週間閉鎖することを決定した。